最新の通信技術である「5G」という単語を、最近いろいろなところで聞くと思います。
しかし、具体的にどんなものなのかは自ら調べないと出てこないでしょう。
そこで今回は、大注目の5G技術について多くの人が気になっているであろう点を1つの記事にまとめました。
5Gのことを知って、未来に思いを馳せましょう!
5Gは第5世代移動通信システムのことで、
という3つの特徴をもっています。
5GによってIoT(あらゆるものにインターネットを繋げること)が普及し、今まで遠隔操作ができなかったものと繋げることができれば、生活や仕事をもっと快適にすることができます。
IoTの身近な例を言えば、
エアコンのスイッチをスマホによって遠隔操作できる、冷蔵庫の締め忘れを通知してくれるなどです。
アメリカをはじめとする19か国は2019年に5Gの商用サービスをスタートしており、日本では2020年3月から商用化が開始されています。
特に、5G対応のスマホが大手キャリアで提供されています。
通信システムは今までどんな進化を遂げてきたのでしょう。
これを知れば、5Gの凄さがさらに分かると思います!
1980年代から90年代にかけて、「アナログ無線技術のモバイルネットワーク」が普及。
音声通話のみの携帯電話が登場しました。
通信方式がアナログからデジタルへ進化したことでデータ通信が容易化。
メールやインターネットなどの携帯データ通信利用が本格化しました。
1G/2Gの時代は携帯電話は地域限定のもので、限定された場所でしか使うことができませんでした。
それを問題視したITU(国際電気通信連合)が3Gの開発を進め、1999年に世界中で使える携帯電話が誕生しました。
2010年代に普及し、一気に知名度を上げたスマートフォンによる4G時代。
通信の高速・大容量化によって携帯で動画を見たりゲームをすることが可能になりました。
ご存じの通りタッチディスプレイが普通になり、より効率のよい操作を行えるようにもなっています。
上記が今までの流れです。その中でも一番革新的で多くの人が関心を寄せたのはスマートフォンです。
今までと形も機能も全く違うので、まさに革新的産物であると言えるでしょう。
ここまでの説明では、5Gと4Gの違いがいまいち分からないという人も多いでしょう。
そのモヤモヤをここで解消したいと思います。
4Gが「スマートフォンのための技術」とするのなら、5Gは「全ての端末と全てのアプリケーションのための技術」と言えます。
つまり、スマートフォンの中だけに納まっていた技術(4G)を、その他の分野でも活用できるように能力を上げたものが5Gだということです。
次は速度の違いについてです。
4Gの場合 | 5Gの場合 | |
通信速度 | 最大1Gbps | 最大20Gbps |
同時接続数 | 10万台/平方km | 100万台/平方km |
遅延速度 | 10ms | 1ms |
5Gの通信速度は4Gの20倍、同時接続数は4Gの10倍、遅延速度は4Gの10分の1です。
通信遅延が少なくなることにより、インターネット上での誤差もなくなります。
そうすることで安定した環境でのリアルタイム通信が可能になり、サービスのさらなる進化に役立ちます。
5Gが浸透することによって、私たちの生活がもっと豊かで便利になると思うとワクワクしますよね♪
5Gが普及すると、具体的に何ができるようになるのでしょう。
通信速度が今よりもっと早くなることで、4Kや8Kなどの高画質の映像も外出先で快適に視聴することができます。
また、高精細な映像でライブ配信も可能になるので、より臨場感のある映像を楽しむことができます。
今現在VRを知らない人はあまりいないと思いますが、日常生活ではあまり馴染みがありませんよね。
しかし、5Gがもっと普及すれば、スポーツ観戦やライブなどを家にいながらまるでその場にいるような感覚で参加できるようになるのです!
また、VRゲームもどんどん出てきていますが、いつかオンラインゲームでもVR対応のものが出れば、アバター目線でいろんな人と交流を持ちながら物語を進めることができるようになるでしょう!
スポーツ観戦も、新しい楽しみ方ができるようになります。
選手の動きを様々な角度から見ることができ、より臨場感あふれる観戦が可能になります。
自分の好きなタイミングでリプレイ映像を見ることもできるので、見逃してしまった時・もう一度よく見たい時など角度を変えながら見ることができます。
これは通信速度と同時接続数が4Gより圧倒的に多い5Gだからこそ可能なことです。
ロボットが人の動きと連動して動くという技術によって、遠隔での手術が可能になります。
低遅延な通信によって誤差なくロボットによる遠隔手術が行えるようになれば、より多くの命が救えるようになるでしょう。
高速通信と低遅延によって、家にいながら医師による診察を受けることができるようになります。
コロナウイルス感染症により、感染を恐れて診察に来ない人や、周りに移してしまうかもと病院に行けない人が増えています。
しかし、在宅診察が可能になれば、無理に外出する必要もなく安心して診断を受けることができるようになります。
触診ができないので、そこは別の方法を探さなくてはいけませんけど…。
みなさんが待ち望んでいる自動運転も可能になります。
運転中は少しの反応の遅れも許されませんが、5Gの高速通信・低遅延により全自動が可能になるのです。
人手不足の農業ですが、ドローンや無人農機を遠隔操作することで肥料や農薬を一瞬で蒔けるようにしたり、
生育状態や気候を分析して効率よく農作業を行える「スマート農業」が可能になります。
今でも遠隔地とのやり取りは行えますが、テレビ中継やzoomなどを見ると場所が遠ければ遠いほどタイムラグが生まれてしまいます。
5Gの通信技術を使えば、国外であっても1秒のずれもなく快適にやり取りができるのです。
遠隔地との音楽セッションもお手ものもですよ♪
一番最初の説明部分で、「5Gはあらゆるものとインターネットを繋げて遠隔操作ができる」と言いました。
5GによってスマホやPCなどの精密機器だけでなく、家具や家電といったものともインターネット接続が可能になるのです。
目的地を入力すると一番最適なルートを出してくれたり、遅延情報をリアルタイムで通知してくれるようになるかもしれません。
そうなったらもっと快適にストレスなく生活することができるようになるのです!
5G対応のスマホを出しているのは、今のところドコモ・ソフトバンク・au・楽天の4キャリアです。
5Gサービスは2020年3月から開始されていますが、日本全国で同時に提供が開始されるわけではありません。
まずは都市部を中心に提供されていき、徐々に全国へと展開される計画になっているようです。
5Gは高速通信と低遅延を実現します。それがスマホで可能になったらどんなことができるようになるのでしょう。
MECという低遅延でリアルタイム処理を行えるコンピューティングを使うことによって、スマートフォンからCADの閲覧や編集を行うことができるようになります。
外出先でもCADが使えるため、効率よく仕事をすることができます。
超低遅延により、タイムラグのないスムーズなweb会議が可能になります。
また、4Kや8Kの高精細な画面で資料共有ができるので、細かい部分までしっかり見ながら会議を進めることができます。
直接会う必要がなくなるため、テレワークの利用が今よりも増え、働き方改革の促進にも繋がります。
5GスマホをVRゴーグルにセットすれば、自宅にいながらライブの臨場感を体験することができます。
また、VRゲームやスポーツ観戦も可能になります。
都内など、人の多い場所では通信が乱れたり遅延が起こることがよくあります。
しかし、5Gを利用すれば混雑した場所でもストレスなくスマホを操作することが可能になります。
動画などの容量の大きいものであっても難なく視聴ができるようになります。
5Gスマホがもっと普及したら、私たちの生活スタイルはガラリと変わるでしょう。
しかし、スマホでここまで出来てしまうと、スマホ依存がさらに深刻化し、外に出て楽しむ習慣が減って生活習慣病・うつ病の人が増えてしまうかも…。という懸念があります。
そこはしっかり対策を考える必要がありますね。
5Gと聞くと、健康被害を不安がる人がいます。
実際にはどうなのでしょうか。
不安の元となったのは、ミリ波の使用です。
5Gの高速大容量通信を可能にするには、広大な帯域幅が必要になります。それを確保するには、これまで使われていなかった高い周波数帯のミリ波を使用するのです。
尚、ミリ波は真っすぐに進みたがる・水分に弱いという欠点があるため、5Gの通信を快適に行うには4Gよりも多くの基地局を各地に設置しなければいけなくなります。
「高い周波数の電波が多くの基地局から射出され、それを浴び続けたら健康に悪影響をもたらすのではないか?」と不安に思う人が発言をし始めたことから、5Gの健康被害に不安をもたらす原因になったと言われています。
また、2018年にSNSで拡散した「5Gの実験電波を飛ばしたら近くの公園にいた大量のムクドリが突然死した」というフェイクニュースや、イギリスで流れた「5Gの電波がコロナウイルスを拡散している」というデマ情報のせいで多くの混乱を招いてしまったと言えます。
海外では、それにより基地局が襲撃されたり、従業員が拘束されるといった事件も起きてしまったのです。
今のところ、明確な結論は出ていません。
しかし、前提として携帯電話に使われる電波は、同じ電磁波の中でもX線やガンマ線のような分子結合を破壊したり癌を引き起こす可能性のある電離放射線よりも周波数がはるかに低く、遺伝子を傷つけない「非電離放射線」に分類されるのです。
日本でも、「5Gは赤外線などと同様に体を温める熱作用がある」と示していますが、これも非常に強い電波を浴びた場合に限られます。
一方、WHOの国際がん研究機関(IARC)は、2011年に携帯電話の発がんレベルを2B「発がん性があるかもしれない」に分類しているようですが、これは漬物やコーヒーと同じレベルなので気にするほどではありません。
5Gの健康被害を訴えている人は、今の段階ではこの部分を誇張して言っているにすぎないのです。
しかし、実験で悪影響があるという結果が出ているものもあるので、他人の意見を真に受けたりデマに踊らされずに、しっかり裏の取れた情報を信じるようにしましょう!
今後私たちの生活を変えるであろう5Gについてみなさんが気になる部分を解説しました。
今回の内容を簡単にまとめると、以下のようになります。
5Gが浸透すれば、ネット上で出来ることが今想像している以上に広がります。
身近なサービスが進化するのはもちろん、仕事面でもどんどん便利な技術が作られていくことでしょう。
街の様子もどんどん変わっていくかも…。
想像するだけでワクワクしますよね!
しっかり人体にもたらす影響も鑑みながら、5Gやそれ以上の技術が進化していけるような世の中になって欲しいです。