飲酒なしでの事故による死亡率は0.75%、飲酒運転での事故による死亡率は6.92%。
飲酒なしの事故による死亡率と比較すると約9.2倍も多いそうです・・・。
アルコールチェックの義務化をきっかけに、飲酒運転による事故を少しでも減らせるよう動きましょう!
「アルコールチェッカーによる酒気帯び確認の義務化」は延期されていましたが、2023年12月1日に義務化されることが警察庁より正式に発表されました。
アルコールチェック義務化は約10年前から始まり、対象事業者を広げていっています。
2011年、バスやタクシーの事業者が運転前後にアルコール検知器による検知が義務化。
2019年、航空業界・鉄道業界でもアルコール検知器による検知が義務化。
そして2022年4月には、白ナンバーを所持する事業者もアルコールチェックの義務化が行われました。
今回は2段階で義務化されるので注意してください。
対象は以下のいずれかに該当する事業者です。
【対象】
※原付を除く50cc以上の自動二輪車を所持している場合、1台を0.5台として計算してください
【2022年4月からの義務】
【2022年10月からの義務】延期
警察庁によって道路交通法規則が改正されたことにより、アルコールチェックの義務化範囲が拡大しました。
今回の改正の直接のきっかけとなったのは、2021年6月に千葉県八街市で起こった、白ナンバーのトラックが飲酒運転をして児童5人を死傷させた事件です。
加害者は飲酒運転の常習犯だったことが分かり、白ナンバーの乗用車がアルコールチェックの義務化対象でなかったことを警察庁は重く受け止め、4月から白ナンバーも義務化対象にすることにしたそうです。
上記で書いたように、10月1日からはアルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されていましたが、
警察庁パブリックコメントの意見募集要領の中でこの義務化を当面延長することが分かりました。
延期になった背景としては、、世界的な半導体不足とアルコール検知器の一斉購入によりアルコール検知器の在庫不足が深刻で、10月1日までにすべての事業者がアルコール検知器を用意することが困難だと判断したからのようです。
そのため、10月からも4月と同様の義務化内容になります。
延期にはなりましたが、今後注文状況が落ち着いてきたらまた義務化の日付が決定すると思うので、それまでに用意できるよう今から行動していきましょう。
上記で記載した通り、アルコールチェッカーによる酒気帯び確認・アルコールチェッカーの保持の義務化はアルコールチェッカーの不足によって当面の間延期になっていました。
しかし、長く続いていた半導体不足や物流の停滞も徐々に回復し、アルコールチェッカーの安定した供給が可能であると判断されたことにより、義務化の目途が立ったようです。
それにより、2023年12月1日からアルコールチェッカーの保持・使用が義務化されます。
義務化まであまり時間がないので、まだアルコールチェッカーを持っていない企業はすぐにでも導入してください。
アルコールチェックを怠ると、安全運転管理者の業務違反になりますが、特に罰則は設けられていません。
しかし、安全運転管理者が与えられた業務を行わず、安全な運転環境が確保されていないと判断される場合は、公安委員会によって安全運転管理者の解任を命じられる可能性があります。
さらに、特に過労運転による事故が発生した場合で、その原因の大半が安全運転管理者の怠慢によるものであったと認められる場合、安全運転管理者自身の過失による責任が課せられる可能性も十分あるので、アルコールチェックは怠らないようにしてください。
安全運転管理者に選任された人は、それを十分に把握した上で業務にあたることが臨まれます。
なお、規程の車両台数を保有しているにも関わらず安全運転管理者・副安全運転管理者を選任しない場合、違反者と法人の両方に5万円以下の罰金が課せられるとなっていましたが、
警察庁のホームページによると、2022年10月1日からの選任義務違反の罰則は50万円以下の罰則と大幅に引き上げられています。
また、安全運転管理者を選任・解任した日から15日以内に定められた事項を公安委員会に届け出ない場合、2万円以下の罰金または科料(1000円~1万円未満の金額を納付を命じられること)が課せられます。
万が一飲酒運転をした場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられ、行政処分として免許の取り消し、その後3年間免許の取得ができなくなります。
血中アルコール濃度が0.3㎎/ml以上、または呼気中のアルコール濃度が0.15㎎/ℓ以上だと「酒気帯びをしている」と判断されます。
一般的に、アルコール20g(ビール中瓶1本・日本酒1合・ウイスキーダブル1杯)で、血中アルコール濃度が0.2㎎/ml~0.4㎎/mlになると言われています。
アルコールへの耐性や分解速度は人によって違いますが、少しの量飲むだけでも「酒気帯び状態」になることを覚えておきましょう。
お酒が抜ける時間としては、医学的には「体重60~70kgの人がアルコール度数5%のビール500mlを飲んだ場合、アルコール分解時間は3.4時間」と言われています。
しかし、体調やその人のアルコール耐性によって分解にこの3倍も時間がかかる場合もあるので、飲酒後は最低でも24時間運転を控えた方がいいです。
また、アルコールは約90%が肝臓で分解・処理されるため、汗をたくさんかいたりトイレにたくさん行ったからといって10%以上のアルコールが体から出ていくわけではありません。
そのため、深酒しすぎた翌日は運転をしてはいけません。
アルコール濃度はどのようにチェックすればいいのでしょう。
義務化前にここで確認し、スムーズな導入ができるようにしましょう。
運転前後に直接会って酒気帯びを確認することができない場合は、
などで顔色や声の調子を確認してください。
加えてアルコール検知器を社内に置いておき、それを使って呼気検査をして数値を報告してもらいましょう。
その都度チェックしなければいけない義務はありませんが、飲酒運転の規制を徹底したい場合はその都度行うのもいいでしょう。
運行管理規定では、直行直帰で運転者に一度も対面で会えない場合は、運転前と後の連絡に加えて中間連絡も行うとしています。
個人でレンタカーを借りる場合はアルコールチェック義務はありません。
しかし、1事業所あたり5台以上の白ナンバー自動車を所持している会社の従業員が、出張先でレンタカーを借りて業務を行う場合はアルコールチェックをしなければいけません。
チェックの仕方は直行直帰の場合と同様です。
会社で白ナンバーの車を5台以上所有している場合は、例外なくアルコールチェックが必要です。
しかし、レンタカーとして貸し出した車は数に入れなくていいです。
従業員が使う白ナンバーの車5台以上使用している場合に適用となるので覚えておいてください。
白ナンバーのアルコールチェックが義務化するまでに企業がすることは3つあります。
上記の3つです。詳しく説明しましょう。
【安全運転管理者とは?】
運転者に対して安全運転の指示を行い、酒気帯び状態で運転をすることを防ぐために指導・管理を行う役割を持った人
【安全運転管理者の仕事】
【選定方法と選定の届出について】
安全運転管理者は事業所単位での選定が必要で、安全運転管理者の氏名を事業所の所属する地域の公安委員会に届ける必要があります。
安全運転管理者は、
上記の条件を満たす必要があります。
また、副安全運転管理者にも条件が設けられています。
これらの条件に当てはまる人物を選定し、届出をしましょう。
尚、以下の罰則を2年以内に受けている場合は、安全運転管理者として働くことはできません。
【安全運転管理者が不在の場合は?】
副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助する人が酒気帯びの確認をおこなってください。
検査記録簿とは、運転者の酒気帯びの有無を記録する帳簿で、1年間保管義務があります。
記入内容は以下のものになります。
点呼記録簿の見本と記録内容の見本を置いておくので、参考に作成して下さい。
https://jta.or.jp/member/rodo/hyojyun_chohyo.html
2022年10月からのアルコール検知器義務化は延期になりましたが、在庫が戻り次第義務化の日程が発表されると思うので、今から用意するように動いていきましょう!
アルコール検知器には種類があり、センサー方式やタイプが異なります。
ここで選び方をご紹介しましょう。
【タイプを選ぶ】
アルコール検知器のタイプは、ハンディタイプと据え置きタイプがあります。
ハンディタイプは持ち運びがしやすく、ポケットに入るなど場所を選ばずに使用することができます。
比較的安価なものが多く、車に常時置いておく検知器としておすすめです。
しかし、コンパクトな分機能が少ないのが難点です。
パソコンに接続して使用するもの。
持ち運びが難しいので、事務所に設置して使用します。
ハンディタイプより高額ですが、保存できるデータ容量が大きく耐久性に優れているなど、長期で使用するものとしてメリットが多いです。
【センサー方式を選ぶ】
アルコール検知器には、半導体センサーと電気化学式センサーがあります。
センサー表面に付着する酸素量によってセンサー内部の電気抵抗値が変動し、アルコール濃度を測定します。
価格が安く、検査時間が短いのがメリットです。
一方、アルコール以外のガスに反応したり、少しの呼気の変化で数値が変わってしまうため、正確性が低いのが欠点です。
呼気に含まれるアルコールガスを燃料にして電気を発生させ、アルコール濃度を測定します。
半導体センサーより耐久性があり、アルコール以外のガスや周りの環境に影響を受けにくいため、正確な数値を読み取れます。
その分計測時間が長く、価格も高いです。
【機能を選ぶ】
記録データの保存方法も、検知器によって異なります。
どの方法が一番自社に合っているか比較検討しましょう。
データの記録方法としては、
などがあります。
高機能であるほど価格も高くなるので、アルコール検知器にいくらかけるかで機能内容も選ぶと良いでしょう。
道路交通法では、「アルコールチェッカーを常時有効に活用できること」と明記されています。
これは、アルコールチェッカーが故障しておらず、常に正常な状態で使用できるようにしておくこと、という意味です。
特にハンディタイプは、測定回数や使用年数に上限が設けられているものもあるので、上限に達しそうになったらメンテナンスをしたり交換する必要があることを知っておきましょう!
アルコールチェッカーを導入する前に、使用上限や使用年数が決まっていないか確認するようにしてください。
オフィ助でおススメするアルコール検知器を3つご紹介します!
ぜひ参考にしてください。
【特徴】
【特徴】
【特徴】
上記で紹介したアルコール検知器は、オフィ助でも取り扱っています!
「まだ手に入れられていない!」という方は、お気軽にご連絡ください。
飲酒運転は、自分の人生だけでなく相手の人生を狂わせてしまう可能性を十分に秘めています。
今回の義務化の対象に当てはまる企業は、飲酒運転の恐ろしさを従業員全員に再確認させるような教育を行い、アルコールチェックを習慣化するよう行動してください。
また、アルコールチェック義務化対象から外れている企業も、進んで飲酒運転を防ぐよう行動してください。