業務の外部委託というとBPOを思い浮かべる方が多いと思いますが、最近注目されているのはさらなる業務効率化が実現できる「BPaaS」というサービスです。
BPaaSとはどういったサービスなのか、企業の具体例を出してわかりやすく紹介していきたいと思います。
BPaaSとは、「Business Process as a Service」の略で、特定の業務プロセスそのものをクラウド経由でアウトソーシングするサービスのことです。
業務プロセスのアウトソーシングを行うBPOと、SaaSなどのITツールを掛け合わせたようなサービスで、BPOの進化版と言えます。
BPaaSを導入することで、更なる業務の効率化やDXの推進につながるのです。
SaaSは「Software as a Service」の略で、インターネットなどを通してアプリやソフトウェアを利用できるサービスのことです。
インターネット環境さえあれば誰でも利用できるという特徴があります。
BPaaSは、提供する方法はSaaSと同じくクラウド経由ですが、そこからアウトソーシングサービスを提供するという点でSaaSとは異なります。
BPOは「Bisuness Process Outsourcing」の略で、業務プロセスを外部企業に委託するアウトソーシングサービスのことです。
バックオフィス業務やカスタマーセンターなどの業務を外部委託することで、企業はコア業務に集中できます。
BPaaSとの違いは、提供方法です。
BPOは具体的な手続きやアプローチ方法には指定がありません。
一方BPaaSは、クラウド経由でSaaSを活用して業務を遂行していきます。
BPOとSaaSを融合したサービスであるBPaaSの市場価値はどのくらいなのでしょうか。
2022年には56.68億米ドル(約8400億円)に達しており、2023年~2035年の間に198.29億米ドル(約2.9兆円)までの規模に拡大すると予測されています。
BPaaSはどんな業務で活用できるのでしょうか。
人事管理をBPaaSで任せることができます。
勤怠管理・給与計算・人事評価・福利厚生管理など、人事に関する煩雑な業務を外部委託することで、従業員の負担を大幅に軽減できます。
BPaaSであれば、専門のコンサルタントが人事評価に特化したクラウドサービスを提供してくれる上に運用までサポートしてくれます。
給与計算・会計もBPaaSでアウトソーシングできます。
計算や会計処理に特化したBPaaSを導入することで、日頃時間を取られてしまう計算プロセスをまるごと省略できます。
自社内にツールやソフトウェアを導入する必要がないので、導入コストや運営の手間もありません。
ITツールを使ったミスのない計算・会計処理で、労務負担を減らすことができます。
販売活動におけるお金の流れの把握、売上管理、見積書発行など、販売において必要不可欠なお金の管理をアウトソーシングすることができます。
クラウドによって効率的に管理できるだけでなく、運用も任せられます。
BPaaSにはどのようなメリット・デメリットがあるのか知っていきましょう。
BPaaSを使うことでバックオフィス業務を外部委託できるので、計算や管理などに労力を割く必要がなくなり、他の業務に力を入れられるので生産性が向上します。
また、ITツールによって業務の自動化・最適化を図ることができるので、人の手が介入しない分ミスも圧倒的に少なくなります。
BPaaSを導入すれば、自社で新しいツールやソフトウェアを導入・運営する必要がなくなるため、その分のコストを削減できます。
加えて、バックオフィス業務に特化した人材を採用する必要もなくなるので、採用・教育コストをなくすことができます。
BPaaSのサービス提供会社は一つのスキルに特化しているため、知識やスキルが豊富な専門家に管理・運営してもらうことができます。
安心して任せるためにも、提供会社が何に特化していてどのくらい実績があるのかなどを事前に確認しましょう。
人事管理や会計、売上管理などのバックオフィス業務を外部に任せることができれば、企業の利益に直結するコア業務に注力できます。
営業やクリエイティブ部分など、企業が外部委託できない部分に集中できることで、売上・利益を上げやすくなります。
BPOでは委託先の企業内で業務が遂行されるため、ノウハウがこちらに共有されることはありません。
しかし、BPaaSはクラウド上で業務を行うため、データや業務フローを簡単に共有してもらえます。
クラウド上に蓄積されたノウハウを参考に、内製化を進めることも可能です。
企業の情報を外部に公開することになるので、そこから情報漏えいする可能性があります。
加えてクラウドサービスを利用しているため、ウイルス感染による情報漏えいやデータ改ざんなどの恐れもあります。
BPaaSを導入する際は、セキュリティ対策もしっかり行われているか確認してください。
BPaaSを導入すると、一部業務を外部企業に全面的に委託することになります。
そのため、万が一通信障害などが起こったりサービス停止になったりしてしまうと、業務に大きな影響が出てしまいます。
完全に任せてしまうと、いざという時に業務が滞ってしまうので、トラブル発生時に動けるようにノウハウを蓄積しておく必要があります。
BPaaSを提供している企業の事例を3つ紹介します。
どのようなサービスを展開しているのか、参考にしてください。
ビジネスチャット「Chatwork」を提供する株式会社Kubellは、BPaaSの仕組みを使ったオンラインアシスタントサービス「Chatwork アシスタント」を提供し始めました。
専任サポーターが業務の構築・運用を代行してくれるため、ITツールに知見がなく今まで使いこなせなかった方でも安心して利用できます。
必要なタイミングで必要な分だけアウトソーシングを依頼できるので、コストの無駄なくBPaaSのメリットを享受できます。
ChatworkユーザーはChatworkからアシスタントを依頼できるので、新しく登録する手間がなく導入ハードルが低くなっています。
トランスコスモスでは、業務知見を活かしたBPaaSモデルでのサービスを提供しています。
経理・人事・販売・購買など幅広いバックオフィス業務を代行し、企業がコア業務に集中しやすい環境をサポートしてくれます。
さまざまな技術・ツールを活用し、複数業務を連携・自動化させることで、業務のシナジー効果を最大限にします。
カスタマーサポート支援を行っているアディッシュ株式会社は、カスタマーサクセスツールの代理販売・活用支援を行っていることから、カスタマーサクセス領域におけるBPaaSの提供を開始しました。
カスタマーサクセス領域に特化し、SaaS企業のサービスにBPOやプロフェッショナルサービスをセットにして企業に販売します。
アディッシュのBPaaSを導入することで、売り上げの増加・受注率の向上・顧客状況の把握などのメリットを受けることができます。
市場規模からも分かる通り、BPaaSは今後、業務委託の中枢を担っていくサービスに成長していくことが伺えます。
また、アディッシュが2024年3月に実施した調査によると、BPaaSの導入意欲がある企業は約7割もいるという結果になりました。
BPOの「社内にノウハウが蓄積されない」という課題の一つを解決できるということもあり、BPaaSを導入する企業は日本でも増えていくでしょう。
作業効率を上げてコア業務に集中するためには、BPaaSのような外部委託が必須になっていきます。
「すぐに内製化するのは難しい」
「ITツールに疎く、何から手を出していいのか分からない」
など、ITツール導入に悩みがある方はぜひ、BPOやBPaaSを導入してみてください。
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