ジオターゲティング広告は、一般的な広告とは異なり近くにいるユーザーに対してアピールすることができます。
実店舗があるお店にとってはメリットの大きい広告配信方法なので、ここでジオターゲティング広告について知っていきましょう。
ジオターゲティング広告とは、パソコンやスマートフォンの位置情報を活用して広告配信行う手法です。
ユーザーの位置情報を計測・分析することで、ユーザーそれぞれの生活にあった広告を配信することができます。
企業としても、より可能性が高いユーザーに広告配信できます。
現在その場所にいる人・そこに住んでいる人・通勤通学でそこを通る人などに広告が表示されるようになります。
スマートフォンのGPS情報やWi-Fi接続情報などから、ユーザーの行動履歴や往来場所の傾向を割り出します。
割り出した情報からユーザーの趣旨趣向を分析し、各ユーザーにあった広告を配信してくれるのです。
配信側は配信地域や配信範囲、行動傾向などを細かく設定することができるので、限定された地域にいる自社製品のターゲットユーザーに絞って広告配信ができます。
なお、ユーザーの個人情報は特定できないように匿名化されるので、ユーザー側も安心して利用できます。
ジオターゲティング広告は、マス広告がweb広告に主役を奪われた流れで生まれました。
昔は広告ターゲットを「一般大衆」として誰にでも同じ広告を配信していました。
しかし、ユーザーの行動履歴や購入履歴に沿った広告を配信するweb広告が出てきてからは、より角度の高いユーザーに配信できるweb広告が主流になりました。
このように、ジオターゲティング広告は広告ターゲットが「一般大衆」から「それぞれの人」に移り変わってからできた配信手法なのです。
ジオターゲティングが注目される理由は2つあります。
位置情報の精度が向上し、より正確にリアルタイムな位置情報を表示できるようになりました。
これにより、位置情報を使った地域限定の広告配信ができるようになったのです。
今は実店舗を持たないでネット上のみでやりとりする企業形態も増えています。
ECサイトがあれば場所に関係なく買い物ができるので、とても便利で使う人がほとんどですよね。
そんな中で実店舗の良さを出すためには、その地域に関連がある人にお店を知ってもらって、ファンになってもらうことです。
ジオターゲティング広告は、お店を知るきっかけを作ることができるため、実店舗での来店数を増やすことができるのです。
ジオターゲティング広告では、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
知っていきましょう。
店舗がある地域に住んでいる人、現在いる人、よく通る人に対して広告配信ができるので、その地域に根付いて店舗運営を行っている方にとって店舗への来客数を増やすきっかけを作ることができます。
ユーザーにとっても近くのお店の情報が届くので、警戒されずに興味をもってもらいやすいです。
ジオターゲティング広告では、広告をクリックしたユーザーや表示されてもクリックしなかったユーザーなど、細かく広告配信状況を把握できます。
また、実際に来店したかどうかも計測できるので、次の広告配信のヒントを得ることができます。
他にどのような店舗にいくのかなど、行動傾向も計測できるのでターゲットを絞りやすくなります。
ターゲットに対していいタイミングで広告通知を行うことができます。
お店がある地域に来た際に、クーポンや新情報などを流すことで来店のきっかけを作ることができるのです。
全てのユーザーに広告配信をするのは、その分お金がかかります。
しかし、ジオターゲティングでは一つの地域に絞って広告配信をするので、余計なコストをかけずに広告配信を行えるのです。
大企業のように大きく宣伝できないお店にとっては助かりますよね。
ジオターゲティング広告は、地域に根付いた広告配信のため、ECサイトのように地域が関係ない企業形態の場合はあまり効果を得ることができません。
実店舗がない場合は普通のweb広告の方が合っているでしょう。
ジオターゲティング広告では、必ず商品の購入やサービス利用に繋がるわけではありません。
コンバージョンの増加というよりは、認知度の向上を目的としているため、来店のきっかけをジオターゲティング広告で作って、その後のコンバージョンについてはお店側で工夫する必要があります。
人があまりいない地域だと、ターゲットや配信範囲を絞りすぎると広告が配信されなくなってしまいます。
その街の状況をよく把握して、場合によっては範囲を広めにとって多くの人に配信されるよう設定しましょう。
最初の方でも少し触れましたが、ユーザーの位置情報を取得する方法は5つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
携帯電話と直接電波の交信を行う場所が基地局です。
携帯をインターネットに繋いだり通話をしたりするためには通信基地局の存在が欠かせません。
通信基地局と携帯電話の間の距離から位置情報を特定することができます。
たくさんのデータ量を確保できますが、精度はGPSなどに比べて下がります。
カーナビやスマートフォンに搭載されている位置情報システムです。
人工衛星より個人の位置情報を特定するため、誤差数メートル~10メートル程とかなり制度が高いのが特徴です。
GSPではアプリからIDFAやAAIDを取得できるため、データ量の確保ができます。
位置情報を取得する方法として今一番主流なのがこれです。
Wi-Fiのアクセスポイントに繋がると、Media Access Controlアドレスを取得できます。
Wi-Fiの場合、店舗ごとに検知することができるため、商業施設のような複数のお店が入っている場所でも店舗ごとの検知・計測が可能です。
誤差も数メートルなので精度も高いのがメリットです。
ビーコンは、Bluetoothを使った情報伝達技術やその端末のことです。
Bluetoothの電波を使ってID情報を一定間隔で発信するため、建物や店舗内に設置することで特定のアプリなどをインストールしたユーザーあてにクーポンなどお得情報を配布することができます。
1ビーコンあたりのデータ量は少ないですが、精度の高い位置情報を取得できます。
Web広告にユーザーがアクセスした際に取得できる情報のことです。
その情報には主にIPアドレスやcookieなどが含まれており、位置情報の取得に利用できます。
ビッドリクエストの位置情報は、データ量は多いですが精度が低いので利用場面は限られてしまいます。
ジオターゲティング広告で知っておくべき費用は、
「最低出稿金額」「インプレッション課金」「クリック課金」の3種類です。
それぞれ見ていきましょう。
最低出稿金額とは、広告配信・運用をするために必要な最低金額のことです。
最低出稿金額は、出稿媒体や依頼する会社によって10万円~100万円とかなり差があります。
ジオターゲティング広告では、最低出稿金額が決まっている媒体がほとんどですが、最近は最低出稿金額がなかったり低く設定していたりするところも増えているそうなので、予算に合わせて媒体や会社を選びましょう。
広告が表示された回数に応じて費用が発生します。
1000回表示されるごとに費用が発生する仕組みで、1000回で500~700円が相場です。
表示回数をメインとしてたくさん配信できるため、より多くのユーザーに広告を見てもらうことができます。
ただし、表示されたからと言って必ずしも問い合わせや購入に繋がるわけではありません。
表示回数とコンバージョン数が比例するわけではないことを理解して広告配信を行いましょう。
ユーザーに広告をクリックした数に応じて費用が発生します。
リスティング広告やディスプレイ広告で使用されている課金方法で、クリックされなければ費用が発生しないので無駄なコストがかからないというメリットがあります。
ただし、業界や配信媒体によって入札単価が大きく変動するというデメリットもあります。
また、ユーザーが間違ってクリックする場合もあるので、クリックが必ずしもコンバージョンに繋がるわけではないことも理解しておきましょう。
課金方法については、インプレッション課金かクリック課金のどちらか、もしくは両方とも選ぶことができます。
それぞれのメリット・デメリットを比較して合う方を選びましょう。
「ジオターゲティング広告って実際に効果があるの?」と不安に思う方もいると思います。
そこで、どんな企業にどんな風に導入されているのか見ていきましょう。
活用事例を見て、ジオターゲティング広告の使い方を参考にしてみてください。
イトーヨーカドーでは、お得にお買い物ができる「ハッピーデー」という動画広告を配信しています。
今まではそのターゲットを「1都3県に住む25~49歳の女性」という広範囲で設定していましたが、「1都3県に存在する店舗の商圏5㎞以内の買い物客で、スーパーやドラックストアのチラシ閲覧者」という位置情報で絞り込んだ範囲に変更しました。
すると、動画再生完了率は1.6倍、キャンペーンページへのクリック率は約2倍に増加したそうです。
位置情報でより角度の高いユーザーに配信されるよう配信範囲を絞ったことで広告効果を高めることができた事例です。
Web集客の効率化を目的に、ジオターゲティング広告活用した事例です。
300以上ある店舗情報に対して、広告文は県別でしか変更されていなかったため、広告効果が低く、適切な情報をユーザーに届けられていませんでした。
そこで、
これらの施策を実施しました。
その結果、広告費用をほとんど変更しないでCV数を月平均の710%まで増加させることができました。
食洗機用の洗剤を製造・販売しているメーカーの事例です。
食洗機用の洗剤は、食洗機を持っているユーザーしか購入しないもののため、通常の広告配信では効果を得られないことが課題でした。
そこで、位置情報と居住地情報を収集し、日本全国で食洗機が設置されているマンションの住所を洗い出し、そこに住んでいる人をターゲットとして広告配信を行いました。
その結果、リスティング広告などの他広告よりも3倍以上のコンバージョンを得ることができました。
このように、ジオターゲティング広告を活用することで広告費用を抑えながら効率的に広告配信ができるのです。
ジオターゲティング広告が利用できる媒体は主に6媒体あります。
それぞれの媒体を比較してみてください。
媒体名 | 特徴 | 課金方法 |
Google広告 | Googleビジネスプロフィールと組み合わせることで広告の精度が向上 Google広告を活用していた場合、過去の運用データを利用できる 最低出稿金額がない | インプレッション課金/クリック課金 |
LINE広告 | LINEが保有するデータを基にセグメントできる 最低出稿金額がない | インプレッション課金/クリック課金 |
ASE | LINE、TwitterなどSNSへ出稿できる 郵便番号などオフライン広告で利用されるターゲティングができる 来訪数や来客時間などの細かいターゲティングができる | インプレッション課金/クリック課金 |
RealPeople | Softbankキャリアを活用したターゲティングができる 実店舗への来店計測ができる 広告配信にアプリを利用しないため、高精度なターゲティングができる | クリック課金 |
GeoLogic AD | ユーザーの過去の位置情報を活用したターゲティングができる 鉄道ターゲティングやマンションターゲティングなど様々なターゲティングができる | クリック課金 |
Shufoo! | 国内利用率№1の電子チラシサービスのビックデータを利用 日常的に買い物をする主婦層をターゲティングができる | エンゲージメントユニークユーザー課金 |
ジオターゲティング広告は、位置情報を基に広告配信範囲を限定して、コストを抑えながら角度の高いユーザーに広告配信をすることができます。
実店舗がある場合は、通常の広告配信をするより効果が大きいと思うので、ぜひ一度試してみてください。
上位に表示されるよう、キーワードを設定したりGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させたりと、様々な施策を行うことを「MEO対策」と言います。
MEO対策は、低コストで店舗の認知度を上げられるため、実店舗を持っている場合はぜひやってほしい対策です。
しかし運用していく必要があるので、「お店を運営しながら情報を更新していくのは難しい…」と、運用を諦めている方もいると思います。
そこで利用してほしいのが、MEO対策サービス「mikke」です!
Mikkeでは、
このようなメリットがあります。
価格やその他のサービスなど、気になることがあればぜひお気軽にお問い合わせください♪