社会人になると、報告書を書く機会が増えます。
研修を受けた時、トラブルが発生した時、調査内容を伝える時など、報告書を書くタイミングはさまざまです。
しかし、一から上手に報告書を書ける人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、報告書の書き方のコツや例文を紹介していくので、ぜひ報告書を書く際の参考にしてもらえればと思います。
報告書というのは、そもそもどのようなタイミングで書くものなのでしょうか。
どういう時に書くのか知ることで、事前準備がしやすくなります。
報告書を書くタイミングとしては以下が挙げられます。
このように、大きく分けると途中経過報告・結果報告・トラブル報告の3種類に分けられます。
このように見ると、報告書を書く機会がかなり多いことが分かりますよね。
次は、報告書を書く際のポイントを見ていきましょう。
では、人に褒められる見やすい報告書を書くためのポイントを知っていきましょう。
報告書を書く前に、「どんなことを伝えるために書くのか」を明確にしましょう。
報告書を書く目的をはっきりさせることで、最終的な着地点が理解できて内容をまとめやすくなります。
どんな報告書を誰宛てに書くかで記載する項目が変わってきます。
文章を書き始める前に、記載する項目を把握しましょう。
基本的に記載する項目は以下のものになります。
基本的にはこのような項目が必要で、報告書の内容によって追加する必要があります。
「提出するのは誰なのか」を意識することも上手な報告書を書くために必要です。
提出相手によって表現の仕方や報告範囲を変える必要があるので、以下を参考にしてください。
【社長、役員宛ての場合】
内容は簡潔に、流れや結果がすぐ分かるように要約して報告します。
社長や役員は忙しくて時間がない人が多いので、内容を簡潔にまとめたものを提出しましょう。
要約したものを素早く提出してください。
【上司の場合】
人によって報告してほしい範囲が異なるので、「簡潔に」と言われたら要約した内容をすぐに提出するようにしましょう。
「詳しく知りたい」と言われたら、要約と詳細内容を記載してください。
その場合は、翌日もしくは数日以内には提出するようにしましょう。
詳しく書いた方が今後に活かすことができるので、何も言われない場合は詳しく書くようにしてください。
【お客様の場合】
要約と詳細内容を提出期限までに書いて提出してください。
お客様への報告書は、礼儀が欠けていたり内容が間違っていたりすると会社の信用低下につながります。
そこでのトラブルを防ぐためにも、報告書の内容は上長の確認が必須になります。
内容に不備がないか、言葉遣いに間違いはないかを十分にチェックしてから提出するようにしましょう。
文字数も意識することで、簡潔で見やすい報告書を書くことができます。
一文は80文字前後がおすすめで、要約は200文字以内に収めるといいでしょう。
詳細内容を報告する場合は、要旨と詳細内容含めてA4用紙2,3枚にまとめるのがおすすめです。
語尾がバラバラだと読みにくくなるので、語尾は統一するようにしましょう。
「ですます調」と「である調」どちらか一方で書くように意識しましょう。
ですます調の方が丁寧でやわらかい表現ができるので、基本的にはですます調で書くことをおすすめします。
重複表現や間違った表現がないか確認しながら書くようにしましょう。
使う言葉に不安がある場合は、逐一調べて表現がおかしくないか確認してください。
報告書を書き終わった後に添削ツールを使うのもおすすめです。
自分では気づかなかった誤字脱字や表現の間違いを教えてくれます。
営業報告書
日時:2023年4月19日
部署:営業2課
名前:山田 太郎
訪問先:株式会社〇△商事
担当者:佐藤様
訪問目的:新しく会社を建てられたとのことなので、自社製品の提案にいきました。
会社に必要不可欠なものであることを伝えて相手の希望条件を聞き、うちでなら他社より安く提案できると伝えました。
所感:他社(株式会社〇×、株式会社◆)からも営業が来たので、そちらと迷っているそうです。
金額部分を重視しているようで、価格の部分で興味をもっていただけました。
サポート面についても細かく質問があったので、アフターサポートが充実しているかどうかに重点を置いているようです。
他社よりも親身に話を聞いてくれると好感触だったので、ヒアリング内容から見積もりを作って送るという話に落ち着きました。
課題他社の提示価格もかなり低いので、価格面だけをアピールするのは難しいです。
結構こだわりが強い方なので、洗練されたデザインや会社の雰囲気にあった製品でないと選んでもらえないと感じました。
シンプルでどんな雰囲気にも馴染む新製品Aを紹介したので、あとは価格面と担当としての親しみやすさで寄り添う営業をしていきたいと思います。
今後について他社と迷っているものの、話しやすいという好感触をいただいたので、この調子で見積書を送った後も引き続き電話や訪問で警戒心を解いていきたいと思います。
他社の製品と比較表を作ってプレゼンし、決めてもらえるように動いていきます。
株式会社○○
営業部長 鈴木様
クレームに対する経緯報告書
拝啓、時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
このたび、令和4年9日に発生いたしました商品の破損について、下記のとおりご報告させていただきます。
敬具
記
1.発生日時:令和4年4月9日 13:40頃
2.発生場所:株式会社サトウ様の会社にて
3.内容:弊社で契約した製品を設置し、使用しようとしたところ破損個所を発見。弊社サポートセンターにて報告を受ける
4.原因:工場でのチェック不足または製品を運ぶ際に社内でぶつかって破損した
5.現状:株式会社サトウ様には電話と直接謝罪を行い、直ちに新しい製品を発送。
送料はこちら負担で、アフターサポートを1年分無償で付けさせていただいた
6.対策:工場では、最終チェックを機械と人で二重で行い、見落としがないようにする。
配送では破損しないように布で2重に包んで慎重に運び、設置時も破損や傷がないかその場で入念に確認し、破損を発見したら直ちに新しいものを持ってくるようにする。
本件不手際によりご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ございません。
今後このようなことが起こらぬよう、社員指導をより一層徹底していく所存でございます。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
以上
営業部長 鈴木殿
研修報告書
このたび、標記の研修を受講しましたので、下記のとおりご報告いたします。
1.日時:令和3年6月4日 14時~16時
2.場所:〇×中央会館 9階
3.研修名:売れる営業と売れない営業の違いを徹底比較!
4.研修内容:
(1)営業の心得
営業の心構えを図ありで分かりやすく教えていただきました。
(2)売れる営業と売れない営業の違い
クイズ形式で売れる営業と売れない営業の行動や言動を教えてもらい、契約を最短で取るためにはどんな行動・言動をすればいいのか理解できました。
クイズ形式だったので楽しみながら知識を深めることができました。
(3)営業のロールプレイング
隣の人同士で、営業とお客さんを交代しながら営業の流れや話すタイミングを実践しました。
「お客さんのキャラクターを複雑なものにすること」という指示があったので、意味のある営業練習ができました。
5.成果・感想:営業をやったことがなかったので、営業として働くための心構えや流れを知れたのがとても勉強になりました。
売れる営業がどんな行動をとって、どのタイミングでどんな言葉を言っているのかがよくわかったので、実際の営業でも使っていきたいと思います。
ただの座学ではなく参加型の研修だったので、自分の体で実感しながら学べたのが良かったです。
この研修で学んだことは実際の営業で使えるのか、先輩に相談しつつ自分のものにして言いたいと思います。
営業部長 鈴木殿
〇〇に関する調査結果報告書
標記の件について調査を行いましたので、下記のとおりご報告いたします。
調査の趣旨コロナウイルスにより顧客ニーズが変わる中で、弊社製品Bの売上が前年比15%ほど落ちてきています。
それを受け、現状○○に関してどのようなニーズが発生しているのかを把握しておきたいと思い、アンケートにて調査を行いました。
調査方法
調査期間:令和3年9月1日~9月30日
対象:20~30代の男女
方法:インターネットアンケート
調査結果
70%の人が○○だと答え、20%の人が○○、10%はその他という結果でした。
○○に関するニーズについては、いまだに××の期待度が高いことが分かりました。
分析
この結果を受け、弊社製品Bにはもっと◆◆の要素を足し、10代にも認知してもらうようにする必要があります。
ニーズとしてはそこまで変化がないので、今後の行動次第で認知度と購入数が増えていく可能性は十分にあると考えます。
対策
今後は、幅広い年代に認知してもらえるようにSNSでの宣伝に力を入れ、サイズ展開を増やしていけたらと思います。
また、カラーバリエーションも増やすことで若年層も持ちやすい、親しみやすい製品を目指していきたいです。
添付資料(アンケート結果など)
報告書はこれ以外にもさまざまな種類がありますが、上記で紹介したものは特に提出する頻度が高いと思うので、ぜひ上記の文章を参考にしてみてください。
分かりやすく書くことを意識するのが大事です。
報告書は書くのに時間がかかるので、少しでも時間短縮するために各報告書のテンプレートを作って社内共有することをおすすめします。
Wordで作成した内容をテンプレート化することができるので、まだテンプレートがない場合はその機能を使いましょう。
Wordで作成した文書をテンプレート化する方法を書いておきます。
こうすることで、Wordで新規文書を作成する際にテンプレートとして作成した文書が選択できるようになります。
一から作る必要がなくなるので、かなり時間短縮になるのでおすすめです。
また、報告書のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトもあるので、それを使うという方法もありますし、それらのテンプレートを参考に独自の報告書を作る方法もあります。
テンプレートの報告書に追加できるようにWordやエクセルでダウンロードできるものにするのがおすすめです。
上記でも言ったように、報告書ごとのテンプレートがあると作成時間を短縮できます。
社内でテンプレートを作ってそれを共有することで作業効率を高めることができるのでおすすめです。
報告書の作成は一から考えると時間がかかります。
詳細説明など、どこまで書けばいいのかわからない方も多いでしょう。
どういう風に書けばいいのか例や書き方のマニュアルを作って置くことで、経験の有無に関わらず誰でも安心して書くことができます。
過去に提出された報告書を保管しておくことで、報告書の内容を参考に事前にトラブルを防いだり、どのような報告がされているのか把握したりすることができます。
報告書の書き方の参考にもあるので、一部保管しておきましょう。
データ保管であれば、保管場所などを気にせず保管できるのでおすすめです。
今回は、企業で働くうえで書く機会の多い報告書の書き方について紹介しました。
始めて書く場合は特に書き方など分からないことが多いと思うので、この記事を参考にしていただけたら幸いです。