メタバースやAIなど、世界的にIT化が進んでいる昨今、IT人材を必要としている企業も多いです。
そこで、既存の従業員に企業とって必要なスキルを従来の仕事と並行しながら学んでもらう「リスキリング」が注目されています。
ここでは、リスキリングでどんなスキルを学んでもらえばいいのか、おすすめサービスや使える助成金など役立つ情報をご紹介したいと思います。
リスキリングを簡単に説明すると、企業が所属している従業員に対し、新しい分野で活躍できるようなスキルを習得してもらうために学びなおしてもらうことを言います。
デジタル技術が発展する昨今、その中でも通用する人材を企業内で生み出すために行われるスキル習得を指します。
リスキリングでは働きながら学ぶことを前提としており、一度職を離れるリカレント教育とは異なります。
リスキリングについての基礎は以下の記事で紹介しています。
メリット・デメリットや成功事例なども書いているのでご覧ください。
リスキリングでは、従業員に何を学んでもらうのがいいのでしょうか。
下の表は、Re就活を運営する株式会社学情が実施したアンケートですが、「リスキリングで身に付けたいスキル」をまとめたものです。
画像出典元:学情
学びたい分野として多いのは、プログラミングやマーケティングスキルといったIT社会で必要とされるスキルです。
ここでは、リスキリングで学ぶべきスキルを紹介したいと思います。
ITスキルは今後需要がどんどん高まっていくことでしょう。
中でもプログラミングスキルは、パソコンに適切な指示を出したりエラーを見つけて改善するなどの作業なので、パソコン作業が必須なこの世の中で欠かせないスキルとなります。
それだけで食べていけるようになるにはかなりの経験とスキルが必要となりますが、今は学習用のテキストや動画もたくさん出ており習得しやすくなっています。
学校でもプログラミング授業が取り入れられているというように、学習ハードルが下がっているので比較的スキル習得を始めやすいと思います。
プログラミングスキルを習得してもらえば、情報システム関連を内製化できる日も近いでしょう。
現在、顧客獲得にはSNSやインターネット・ホームページなどの利用が欠かせません。
そんな中で、インターネットを活用したデジタルマーケティングを行うことはとても重要なのです。
マーケティングスキルを身に付けてもらうことで、SNSやホームページをもっと効果的に使っていくことができるようになります。
マーケティングスキルを身に付けることでネット上での顧客心理も理解できるようになるため、利益にもつながりやすくなります。
昨今は、様々なデータを見て顧客行動を把握したり市場の動きを確認したりします。
蓄積されたデータから事実を読み解いたり改善点を見つけ出すためにはデータ分析スキルが必要不可欠なのです。
データ分析スキルを身に付けることで物事を客観的に見て判断する力が身に付き、かつ市場をいち早く把握することもできるようになります。
マーケティングスキルと併用することで大きな効果をもたらすでしょう。
最近はホームページやLP(ランディングページ)を制作する企業が増えています。
それらがあることで企業のイメージアップに繋がったり、広告をうつことで多くの人の目に入る機会が増え、知名度アップにも繋がります。
企業にとって必要不可欠となりつつあるホームページやLPを制作するスキルがあれば、外注するコストが抑えられ社内で制作・編集ができるようになり見込み顧客獲得にもつながるでしょう。
企業が動画を投稿するのも普通になってきていますが、求人用の動画を投稿したり企業のイメージアップ、収益のために動画を投稿する機会も増えてきています。
動画編集スキルを持つ従業員がいれば、気軽に動画配信ができて収益に繋がる作品も作れるでしょう。
動画から知識を得るユーザーも多いので、動画から企業を知ってもらうこともできます。
今後企業が発展し規模を拡大していく中で、マネジメントができる人材は必要不可欠です。
クリエイティブな仕事ができる人材が増えても、その人たちをまとめて動かしていく人材がいなければ仕事は回っていきません。
管理者やマネージャーとして活躍している人材を獲得するのは難しいので、リスキリングで増やすことができれば企業ももっと発展していけるでしょう。
マネジメントスキルを身に付けてもらうことで、人をまとめて引っ張っていく力、スケジュール管理能力などマネージャーとして必要なスキルを身に付けられるので、従業員としてもできる仕事の範囲が広くなります。
このように、リスキリングで学ぶべきスキルはITスキルを中心にたくさんあります。
自社に足りていないスキルは何かを洗い出し、企業にとっても従業員にとっても付加価値となるスキルを身に付けてもらいましょう!
リスキリングには助成金があります。
厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開リスキリング支援コース)」です。
新規事業立ち上げなどの事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識やスキルを習得させるための訓練を行った際に訓練経費や訓練中の賃金の一部を助成するというものです。
既存事業にとらわれず、新規事業の立ち上げ等の事業展開に伴う人材育成に取り組む事業主
業務の効率化や脱炭素化等に取り組むため、デジタル・グリーン化に対応する人材育成に取り組む事業主
以下のすべての要件を満たしている必要があります。
・雇用保険事業所の事業主であること
・労働組合等の意見を聞いて事業内職業能力開発計画およびこれに基づく年間職業能力開発計画を作成し、その計画の内容を労働者に周知していること
・職業能力開発推進者を選任していること
・従業員に職業訓練を受けさせる間も当該従業員に対して賃金を適正に支払っていること
・助成金の支給または不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備
・5年間保存している事業主であること
・助成金の支給または不支給の決定に係る審査が必要であると管轄労働局長が認める書類等を管轄労働局長の求めに応じて提出かたは提示する、管轄労働局長の実地調査に協力する等、審査に協力する事業主であること
・事業展開等実施計画を作成する事業主であること
令和5年度の期限はまだ記載されていないので、随時確認してください。
リスキリングを導入する上で注意した方がいい点をまとめたのでご覧ください。
リスキリングで大事なのは、「従業員が自ら進んで学習する」ことです。
強制でもスキルを身に付けることはできますが、自ら進んで学んだ方が身につく速度も速く何より従業員が楽しく学ぶことができます。
何より通常働きながら学習するので、心から学ぶ気持ちがないと続かないでしょう。
スキルを身に付けるまで学習を続けてもらうためには、自ら学びたいという気持ちが大事なのです。
ただスキルを身に付けるだけでは従業員の負担が大きいです。
企業の拡大のために学んでもらうのですから、
など、従業員のモチベーションが上がるような制度を作りましょう。
リスキリングが注目されているからといって、闇雲にリスキリングを行っても企業のプラスになるスキルを身に付けてもらわないと意味がありません。
リスキリングを行う際は、企業にどんなスキルが足りないか、今一番欲しているスキルは何かを認識してからそれに対して学習してもらうようにしましょう。
社員研修のサービスを提供している会社では、事前にカリキュラムが用意されていることが多いです。ベーシックなカリキュラムを元に、自社の課題に合う内容にカスタマイズして実施を検討するのもよいでしょう。
やはり、働きながら隙間時間で勉強をするというのは従業員の負担やストレスに繋がります。
企業のために学習してもらっていることを忘れず、業務内で学習する時間を設けたり、外部の研修代を負担する、社内で学びの場を設けるなどの工夫を行いましょう。
Bondavi株式会社という企業によって提供されている作業用のアプリです。
これを使って学習したユーザーの97%が、アンケートで「学習時間やモチベーションアップに繋がった」と回答しているそうです。
「集中」というアプリは、制限時間を設定してその時間内にやりたい作業をすることで集中力と効率をアップさせるという極めてシンプルなサービスのようです。
見た目もかなりシンプルで、複雑な機能がないという点も使いやすさに繋がっているようです。
タイマー終了時に、「時間が短く感じたかどうか」のボタンが出るので、それを毎回選ぶことでデータとして記録してくれて、過去の集中度合を見ることができるので振り返りに使うことができます。
このように、シンプルかつ集中という目的だけに注力されたものであるという点が利用者を満足させているようです。
リスキリングの学習時だけでなく仕事でも使えるので、一度利用してみてはいかがでしょうか。
国・地方自治体・民間企業などが一体となってすべての日本人がスキルアップの学習に取り組めるよう、様々な企業のプログラムやトレーニングを紹介しているサービスです。
無料の会員登録をすることで200以上のプログラムから好きなものを選んで学習できます。
プログラムによって取得したスキルで就職支援も行ってくれるので、スキル取得後の人生もサポートしてくれて安心です。
スキルを獲得して新しい人生を歩もうとする人を後押ししてくれる素晴らしいサービスです。
日本は、他国と比べると学習意欲が低いです。
社会人になって「なぜ学ぶのか」と疑問に思っている層も多く、自ら学ぶという姿勢で動ける人材が少ないというのが現状です。
リスキリングが日本で浸透することで、学ぶという姿勢が一般的になって日本全体を発展させてくれることを願っています。
オフィ助では、その他にもマーケティング手法やビジネスツールなどの紹介をしています。
よければ参考にしていってください。