近年、コロナウイルスの感染拡大や働き方の多様化、AIの活性化など予測できない様々な出来事が起こっています。
今のような時代は「VUCA時代」と呼ばれていることを知っていますか?
VUCAとは何か、今後どのように行動していけばいいのかなど、新しい時代を生き抜くための情報を伝えていきたいと思います。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、現代のような予測不可能な時代を表した言葉です。
それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
コロナウイルス感染症の拡大、テクノロジーの著しい進化、働き方の多様化など、世の中は目まぐるしく変動しています。
このような世の中では、未来の予測がしづらく企業としても将来を見据えた経済活動がしにくくなっています。
インターネットが普及し、なんでも気軽に情報を入手できるようになったことで、正しい情報だけでなく間違った情報も流れてきます。
特にSNSでは若者が気軽に発信できるため、誇張した内容や間違った情報を発信・受信するリスクが増えています。
便利になった半面、自分で情報の取捨選択をしっかり行う必要があるのです。
グローバル化により、店舗の在り方や支払い方法など、ビジネスが複雑化しています。
様々な要因が複雑に絡み合っているため、すぐに答えを出すのが難しくなっています。
上記の3つが組み合わさることで、絶対的な答えが見つからない曖昧な状態が発生すると言われています。
過去の成功事例が通用しない、従来の方法では利益を生み出せないといった曖昧な状況になっているのです。
VUCAは、もともとアメリカ軍で使われていた言葉です。
1990年代にアメリカとロシアが戦争をしていた頃は、本部が作戦を立て現地の部隊がそれに忠実に従うだけでした。
ビジネスの方も同様に、トップが戦略を立て現場の従業員がそれに従うというのが主流だったのです。
しかし、2001年に始まったアルカイダとの戦争でそのスタイルは崩壊します。
アルカイダは国ではなかったためトップと呼ばれる人がおらず、思想に共感した人々が同時にテロを起こすなど、従来の戦い方ではこの混沌とした戦い方に対応できなくなりました。
このような予測不可能な戦争時代をVUCAと呼び、その時々に応じた戦い方にシフトしていったのです。
戦争から生まれた言葉ですが、2010年頃には変化が激しく混沌とした時代を表す言葉として、ビジネス間でも使われるようになりました。
当時のアメリカ軍のように、企業もVUCA時代に対応できるよう変わっていかないと、複雑でニーズ獲得の難易度が高い現代では生き残っていくことはできないでしょう。
VUCA時代に起こることはどんなことが考えられるのでしょうか。
今後起こるリスクを把握しておきましょう。
昔は、買い物をする時はその場に行って現金で購入するのが当たり前でした。
しかし現在は、自宅にいながら買い物ができ、支払いもカードやQRコードなど多種多様です。
他にも、テクノロジーの進化により、作業効率を高めるツールがたくさん開発され、今まで手動で行っていたことをパソコン上で簡単に入力・保存できるようになりました。
このように、今までの常識が覆される商品・サービスが開発され、積極的に取り入れていかないと生き残れなくなってきています。
インターネットが普及したことで、お店や企業の情報を気軽に発信して集客に繋げやすくなっています。
SNSを活用することでブランド力を高めたり、競合との差別化を図ったりするのはいい方法だと思います。
その分SNSは人気が移り変わりやすく、それぞれのターゲット層も異なるため、どのSNSを活用するかは集客したい客層を絞って変えていく必要があります。
また、注意してほしいのは発言内容です。
誤情報を載せたり他者を批判するような発言を企業アカウントでしてしまったりすると炎上に繋がりやすいです。
インターネットを利用した集客は重要なので、炎上にだけ気をつけて積極的に利用していく必要があります。
今はニーズがある商品・サービスでも、急にニーズが変化して一気に購買率が下がるということがVUCA時代には起こりやすいです。
価値観が多様化したことでニーズが幅広くなっているのもありますが、情報入手がしやすい現代ではネットの情報を鵜呑みにして動く層が多いため、急に購買率が増えたり減ったりするのです。
悪い情報が拡散されないよう、社員教育を徹底する、ネットの情報を把握しておくなどの対策が必要です。
このような時代に、企業がやるべきことはなんでしょうか。
今から取り組むべきことを紹介していきます。
年功序列や会社出社など、今までの常識に囚われていてはVUCA時代に対応していくことは難しいです。
古い体制を続けていると、従業員からも不満が出て離職率も高くなってしまうでしょう。
テレワークやハイブリッドワークの導入や企業独自の福利厚生の追加、女性の管理職を増やす取り組みなど、現代のニーズに合わせた制度を導入してみてください。
新しく変わろうとする企業に魅力を感じる人は多いため、求人も増えることでしょう。
不透明で不確実なVUCA時代を生き抜くためには、明確なビジョンをもって進んでいくことが重要です。
目標がなければどこに向かって進めばいいか分からなくなり、無駄な部分でコストや時間をかけてしまう可能性があります。
企業の目的を明確にすることで従業員も安心してついていくができますし、VUCA時代であっても一貫性のある行動ができます。
以前は、新卒を採用して退職まで働いてもらうというのが主流でした。
しかし、今は終身雇用を採用している企業はほとんどなくなり、大手企業でも安定していると自信をもって言える時代ではなくなりました。
ニーズが多様化している現在だからこそ、外国籍の方や中途入社の方、経験豊富な高齢者など様々な人材を採用することで、それぞれの知識や価値観を共有することができて新しいアイデアを創出するヒントを得られるでしょう。
ビジネスの常識は常に変化を繰り返しており、すぐに新しいマーケティング手法やツールが出てきます。
常に新しい情報を入手していくことで、流動性のあるこの時代にも対応していくことができます。
情報を入手する際は、SNSや匿名ブログなど不確実な内容を見ることはやめましょう。
権威性のあるニュースサイトや知識量と実績のある方のセミナー、国からの情報など、信頼できる場所から入手してください。
セミナーは無料で行われているものも多く、注目の内容を深堀りしてくれるものもあるのでぜひ活用してみてください。
VUCA時代では、人材育成にも力を入れる必要があります。
特に、意思決定権を持つマネジメント層を育成することが求められます。
混沌とした時代を生き抜くには、リーダーシップがあり明確な目的を持って臆せず行動していける人材です。
意思決定が素早くできて主体性があり、リーダーとして周りを引っ張っていける人材を確保することで、VUCA時代でも他社に後れを取らず進んでいけます。
リーダーシップのある人材の育成には、
などが挙げられます。
主体性のある人材を育成するためには、自発的に意見を言いやすい環境を作り出すことも必要です。
年齢や社歴に関係なく、新しいアイデアやチャレンジを後押しする環境を構築しましょう。
そうすれば、主体性を持って行動する人材が集まってくることでしょう。
VUCA時代には、臨機応変に対応できるOODAループのフレームワークが向いています。
OODA(ウーダ)ループとは、Observe(観察)・Orient(状況判断/方針決定)・Decide(意思決定)・Action(行動/改善)の頭文字をとったもので、現状を把握してから意思決定、行動を行うため、VUCA時代のような不安定な時代に合っています。
PDCAサイクルとの違いなど、詳しくは下記の記事で紹介しているのでぜひご覧ください。
最近出てきた新しいフレームワークについても紹介しています。
新しいものが次々と生まれている現代において、VUCA時代は今後も続いていくと予測されます。
不安定な時代でも企業の目的を失わずに一貫性をもって進んでいけば、他社と差別化しながら事業を行っていけます。
新しいものが出てくるということは、それを使って新しい事業を起こしたり業務効率をアップできたりするということと同義です。
ぜひ、VUCA時代を楽しんでください。
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