昨今、新しい働き方を選択する人が増えています。
その中でフリーランスという会社員のように縛られない働き方を選ぶ人も多くなっているようです。
今回は、フリーランスとはどんな働き方か、やめた方がいいと言われている理由、なり方などフリーランスになりたい人向けに解説していきたいと思います。
知っている方も多いと思いますが、フリーランスとは、会社や団体に所属しないで個人でその都度契約した仕事を請け負う働き方のことです。
フリーランス=Freelanceという言葉は、自由を意味する「Free」と槍を意味する「Lance」組み合わせた言葉です。
この語源は中世ヨーロッパから来ています。
当時戦いの時に最も使われていたのが槍で、どこにも所属していない個人の傭兵を雇って戦っていましたが、その傭兵を「フリーランス」と呼んでいたそうです。
フリーランスという言葉は1990年代にネットが普及したことで日本にも広まり、徐々に一般化して現在は新しい働き方の一つとして認知されています。
個人事業主は税務署に開業届を出しており、税法上で区分されています。
開業届を出して個人事業主となることで青色申告を利用することができ、税金控除を受けることができます。
フリーランスはそういった届出を出さないので、税法上の区別はありません。
派遣は、派遣会社と契約を結んで派遣先で業務を行う働き方です。
フリーランスとの大きな違いは、雇用関係を結んでいるところです。
様々な調査を行っているランサーズ株式会社によると、2021年時点でのフリーランス人口は約1577万人にも上るそうです。
2018年には1119万人だったので、3年の間に400万人以上も増えたようです。
このように、フリーランスで働く人は年々増えていることが分かります。
フリーランスが増えた理由としては、
このようなことが挙げられます。
フリーランスが増えすぎると、案件獲得の競争相手が増えて仕事が取りにくくなるため、スキルがある程度ないとフリーランスでやっていけません。
また、企業としても優秀な人材の採用が難しくなってしまいます。
フリーランスを目指すのは悪くないことですが、メリットとデメリットをしっかり把握しておく必要があります。
フリーランスの大きなメリットは、やはり自由度は高いところです。
会社のように勤務時間や休日が決められているわけではないので、好きなように休日を決めたり勤務時間を調整したりすることができます。
時間に縛られない働き方というのはストレスが少なくていいですよね。
フリーランスの場合仕事量も自分で調整できるため、たくさんの案件を受ければその分報酬も増えます。
会社員は収入を増やすのに時間がかかりますが、フリーランスであれば働いた分だけ収入が増えるため、モチベーションアップに繋がります。
多くの仕事をこなしてスキルを上げていけば、効率よく収入を上げていくことができるでしょう。
フリーランスは個人なので、職場での人間関係に悩むことがなくなります。
飲み会などの定期イベントに参加しなければいけないなどのしがらみもなくなるので、そういった人間関係が苦手な方には向いています。
個人で仕事を請け負うため、仕事を選んで働くことができます。
しっかり稼ぎたい場合は報酬の大きな案件を選ぶ、今月は休み多めにしたいという場合は軽めの案件を選ぶなど、その時の気分によって仕事の量を選ぶことができます。
もちろん、仕事を選べるのはある程度スキルがあり知名度がついてからなので、初心者が最初から選べることはないと理解しておきましょう。
フリーランスには定年というものがないので、働きたい年齢までずっと働き続けることができます。
現代は年金に期待できないため、年齢に関係なく働けるのは安心感が大きいですね。
手に職があれば、定年後にフリーランスでやるという道もあります。
フリーランスは会社員と違って、決まった収入を得ることはできません。
自ら仕事を見つけてやり遂げないと収入に繋がらないわけですが、常に仕事を受けられるとは限らないので、収入が不安定になりやすいのです。
有給休暇もないので、体調不良や家庭の都合で仕事ができないと収入を確保できなくなってしまいます。
フリーランスは自分で仕事を取ってこなければ仕事からやってくることはほとんどないです。
知り合いのつてなどで仕事を紹介してもらえることもあるようですが、未経験の場合それもできません。
自分でスキルを磨いて営業して自分を売り込んでいく必要があるので、受け身でいたら継続的に収入を得ることは難しいでしょう。
会社員は会社側が年末調整や納税をやってくれますが、フリーランスはそれらの事務作業も全て自分で行う必要があります。
どの作業もなんの書類が必要でいつまでに提出すればいいのかだいたい決まっているので、かなり手間がかかります。
フリーランスは人間関係に悩まなくていいところがメリットですが、上司も後輩もいないので、身近な相談相手が存在しません。
仕事中の息抜きになる雑談も発生しないので、孤独を感じやすいです。
フリーランス同士の集まりもあるようですが、会社の仲間特有の一体感は感じづらいようです。
フリーランスは収入が安定しない働き方のため、社会的信用が低いようです。
そのため、住宅ローンや保険などの審査に通りにくいというデメリットがあります。
生活にも関係してくるのは懸念点ですよね。
フリーランスは自由で魅力的な部分も多いですが、自分でしっかり管理ができないと続けていくのは難しいです。
メリットとデメリットを比較してやっていけそうかよく考えましょう。
上記のメリット・デメリットを踏まえて、フリーランスはどんな人が向いているのかその特徴を挙げていきます。
自分にどのくらい当てはまっているか確認してみてください。
一番は自己管理がしっかりできるかどうかです。
フリーランスは自分で仕事をとってきて納期に合わせて仕事をこなします。
進捗の管理・スケジュール管理・時間配分など全て自分だけで把握して調整する必要があるので、そういった管理能力が高くなければクライアントから信用してもらえません。
フリーランスは自分で仕事を見つけなければ収入に繋がりません。
また、スキルを磨いたり営業をしたりと自分を売り込むために行動していける人でなければ他者に負けてしまいます。
なんでも興味を持って動いていける人が向いています。
フリーランスは働く場所が決まっておらず、PCで作業できる仕事が多いので自宅でもカフェでも仕事ができます。
場所に縛られないことは強みですが、メリハリをつけて働けないと集中できなかったりオーバーワークになったりするリスクがあります。
オンオフを切り替えられる人でないと、効率よく作業することは難しいでしょう。
会社員のように勤務時間が決まっていて、上司の指示に従う、興味のない仕事もこなす必要があるといった働き方にストレスを感じる場合は、フリーランスのように自由な働き方が合っているのかもしれません。
会社員の働き方だと精神的にきつい場合は、フリーランスを選ぶのも一つの道だと思います。
フリーランスは基本一人で仕事をすることが多いので、一人で黙々と仕事をするのが苦でない人は向いています。
もちろん、クライアントとのやり取りはあるのでコミュニケーション能力は必須ですが、一人で作業する時間が長いと思うので仕事関係の人と深い関わりを持つのが苦手という人はフリーランスの方が気楽でしょう。
フリーランスは自分をアピールして仕事をとってくる必要があるので、少しでも仕事に繋がりそうな集まりなどに顔を出せるフットワークの軽さがあった方がいいです。
そういう集まりで人脈を築いていくことで、大きな仕事を任せられるなどチャンスを掴みやすくなるのです。
チャンスを掴むために行動できる人がフリーランスで成功しやすいです。
フリーランスは特定の企業に属さず、仕事に応じて一時的にその企業の一員として働くことが多いです。
そのため、各企業の雰囲気やクライアントの要望をくみ取って臨機応変に態度や納品物を変えていける柔軟性が必要です。
企業によって重要にしている部分は異なる(品質第一、スピード第一など)ので、それらを理解して企業にあった対応をしていきましょう。
フリーランスはクライアントである企業の一員となって仕事をするため、「企業の信頼を落とさないようなものを作ろう」という責任感がないと信頼度が上がっていきません。
適当な仕事をしていたら、信頼度がなくなって次がなくなってしまいます。
自分自身がブランドだと思って、責任感を持って仕事をしていけるひとじゃないと収入を得ることはできません。
あなたは上記の特徴にどのくらい当てはまっていましたか?
全て当てはまる必要はないですが、一人でも集中して質の高い仕事を納期までにこなしていけるスキルは必ず必要なので覚えておきましょう。
フリーランスに向いている仕事はどんなものがあるのでしょうか。
箇条書きで書いていくので確認してみてください。
このように、フリーランスで活躍できる職業はかなりたくさんあります。
パソコン一台でできるものだけでなく、カメラマンや美容師なども手に職があればフリーランスとして活躍していけるようです。
今後もどんどんフリーランスで働ける職業は増えていきそうですね。
自由な働き方に憧れる人にとっては将来フリーランスを目指したいところですが、フリーランスはやめた方がいいという人も多いです。
やめた方がいいと言われる理由は、やはり上記で挙げたデメリットがあるからのようです。
収入が不安定、自分で全てやらなければいけない、周囲のサポートを受けづらい、スキルを上げていく必要がある
などなど、フリーランスとして生活していくためにはある程度のスキルと営業活動、自己管理が必要になります。
今は想像できないかもしれませんが、フリーランスである限りこれらのデメリットはずっとついて回ります。
この先ずっとこのデメリットを背負っていけるかどうかが、フリーランスに向いているかどうかの分かれ道になります。
もちろん、一度フリーランスになったらずっとフリーランスでいなければいけないなんて決まりはありません。
なので、どうしてもフリーランスでやってみたい人は一度やってみて難しいと感じたら会社員に戻るのもいいと思います。
では、フリーランスになるにはどのような準備が必要なのでしょうか。
フリーランスとしての第一歩を踏み出すため、最初に確認しておきましょう!
まず、自分がなんのスキルを持っていてどんな仕事ができるのかを洗い出して整理しましょう。
スキルを細かく把握することで、自分がどんな仕事ができて、どんなスキルが足りないかが明確になります。
スキルアップする際にも、どこを伸ばせばもっと需要が高まるのかはっきりするのでおすすめです。
フリーランスを目指すために新しくスキルを身に付ける場合は、自分が好きなことや得意なことから探した方がスキルを磨いていきやすいです。
例えば、絵を描くのが好きならその趣味を活かしてイラストレーターとしてフリーランスを目指すなどが挙げられます。
自分のスキルが分かったら、どんなスキルを身に付けたらもっと活躍できるかを考え、スキルアップを目指しましょう。
スキルアップするため、まずは副業してスキルをもっと磨いていき、できることを増やしていくのがいいでしょう。
未経験の場合も副業でやっていくことで実戦経験ができるので、フリーランスになった際もスキルを認めてもらいやすくなると思います。
フリーランスなると、事務作業は自分でやらなければいけません。
どんな書類の処理が必要なのか最初に把握し、提出漏れがないようにしましょう。
などの事務作業が月一で発生するので提出日や提出方法を調べておきましょう。
フリーランスになると社会的信用が下がるので、口座の開設や賃貸契約の審査が通過しにくくなります。
会社員からフリーランスを目指している人は、会社員の間に仕事用の口座開設・仕事用カードの発行・賃貸契約の見直しをしておきましょう。
仕事用として口座やカードを分けておくとお金の管理がしやすくなります。
また、家賃などは支出の大きな部分を占めるので、見直して余計な支出を抑えましょう。
お金やスケジュール管理など、それぞれの管理方法を考えましょう。
今は使いやすくて作業効率アップにも繋がる管理ツールがたくさん出ているので、それらを使って管理することをおすすめします。
ツールには様々な機能が備わっているので、作業をもっと効率よく行えるようになるでしょう。
下の記事ではタスク管理ツールを紹介しているのでぜひご覧ください。
フリーランスでやっていく際、開業届を出す決まりは特にありません。
しかし、開業届を出した方が青色申告を使えるようになるので税金控除が受けられます。
また、小規模企業共済という積み立て退職金制度に加入することができるため、会社員ほどではないですが退職金を受け取ることができます。
いよいよフリーランスとして仕事を受ける段階です。
仕事の探し方はいろいろあります。
自分にとって一番探しやすい方法で仕事を探してみてください。
未経験の場合は、まずはクラウドソーシングで小さな仕事を探して実績をつけていくのがおすすめです。
フリーランスという働き方を選ぶ人は増えていますが、自分で管理することが多く負担も大きいです。
ただ「自由に働きたい」というだけでは続けていけないでしょう。
自分にはどんな働き方が合っているのか、自分で仕事を得るためにうごきまわることができるかどうか今一度考えて、フリーランスになるかどうかを考えてみてください。