コロナウイルス感染症による経営不振、倒産企業の増加を防ぐために開始された「ゼロゼロ融資」。
コロナ過で経営難に苦しめられていた企業にとっては、資金繰りを改善させるきっかけをくれた素晴らしい融資だと思います。
しかし、融資のため返済が必要であり、返済開始日は刻一刻と迫ってきています。
今回は、ゼロゼロ融資の返済方法や返せない場合の対策をご紹介したいと思います。
コロナ過で売上が減少した企業のために、無利子・無担保で融資してくれる制度のことです。
主な対象は中小企業や個人事業主で、政府系の金融機関だけでなく民間金融機関でも融資を受けることができたようです。
日本公庫の場合は、条件を満たせば小規模企業や個人事業主は最大6000万円、中小企業は最大3億円を実質無利子で借りることができました。
もし返済が滞っても元本の8割か全額を信用保証協会が肩代わりしてくれて、最長で最初の5年間は元本の返済が免除されるというものです。
コロナ過で経営不振に陥ってしまった企業にとってはかなりメリットの大きい制度だと思います。
ゼロゼロ融資は、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」を組み合わせて利用することで実現する制度です。
新型コロナウイルス感染症特別貸付は、小規模企業や個人事業主は最大8000万円、中小企業は最大6億円を無担保・低利子で借りることができる制度です。
新型コロナウイルス感染症特別貸付では据置期間が5年間あり、その間は元本の返済義務はありませんが利子を支払わなければいけません。
しかし、これに加えて特別利子補給制度を利用することで、小規模企業や個人事業主は最大6000万円、中小企業は最大3億円を3年間は実質無利子で借りることができるのです。
これが「ゼロゼロ融資」が可能となる仕組みです。
2022年9月末に受付を終了したゼロゼロ融資は、いよいよ返済が始まろうとしています。
日本公庫のコロナ融資の返済開始ピークは既に到来しており、民間ゼロゼロ融資は2023年7月~2024年4月に返済のピークを迎えると予想されています。
民間のゼロゼロ融資においても2023年3月時点で5割近くが返済中のようですが、宿泊業においてはまだ据置期間のところも多く条件を変更する会社もあるそうです。
融資件数は約245件、合計で約42兆円に達したようで、全ての企業が余裕を持って返せるとは限りません。
実際、経営回復のめどが立たず、返済を先延ばしにしている企業もいるようです。
東京商工の調査によると、今年の5月に倒産した企業は704件、6月は770件、7月は758件もいるようです。
ゼロゼロ融資の返済が開始したことで倒産に追い込まれた企業もいるようで、今後も倒産が増えていくと考えられます。
7月に倒産が多かった業種はサービス業で、次いで建設業だそうです。
ゼロゼロ融資は返済が滞った場合は信用保証協会が肩代わりするという手厚い仕組みになっていますが、協会が肩代わりした分を倒産などで回収できなかった場合は財源の一部を国民の税金から補われるという話です。
つまり、ゼロゼロ融資の返済ができない会社が増えることは、会社を営んでいない国民にも関係してくるのです!
「ゼロゼロ融資でお金を借りたけど、返せない気がする…」と今後の返済に不安を感じたらどうすればいいのでしょうか。
そのまま放置すれば倒産に追い込まれてしまうので、早めに手を打ちましょう。
返済できる目途が立たなくなってしまったら、一人で抱えずに第三者に相談するのが大事です。
弁護士のような知識を持つ人に相談すれば、最適な解決方法を教えてくれます。
その他、複雑な手続きを任せられたり、債権者からの催促を止めてもらったりすることもできます。
弁護士に相談することで解決策を見つけることができるので、本当に困った時はぜひ相談してみてください。
ゼロゼロ融資の返済負担を軽減するために、「コロナ借換保証制度」というものが用意されています。
要件を満たせば借入時の信用保証料を引き下げることができます。
これを利用することで、
などのメリットがあります。
コロナ借換保証制度の内容は以下のようになっています。
補償限度額 | 1億円 |
保証期間 | 10年以内 |
据置期間 | 5年以内 |
金利 | 金利期間所定 |
保証料(事業者負担) | 0.2%等(補助前0.85%等) |
要件 | 売上または利益率が5%以上減少 など |
その他 | 100%保証の融資は100%保証での借換が可能 経営行動計画書の作成 金融機関の継続的な伴走支援 |
取扱期間 | 2024年3月31日までの予定 |
【要件】
下記➀~④のいずれかに該当し、金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要です。
【コロナ借換保証制度申し込みの流れ】
コロナウイルスをきっかけに、新規事業を始めたり事業転換・業態転換等をしたりする予定があるようなら「事業再構築補助金」の申請をすることもおすすめです。
補助金は基本的に返金が必要ないので、申請して損することはありません。
事業再構築補助金では、成長枠・グリーン枠など枠に種類があり、それごとに要件が異なります。
上記の要件は全枠共通のものなので、これに加えて枠ごとの要件を満たしていれば、補助金を受けることができます。
公式ページをよく読んで、顧問税理士などを話し合いながら申請すべきかどうかをきめていってください。
コロナ借換保証制度や事業再構築補助金は審査が必要なため、保証や補助金を受けるまでに時間がかかります。
その間にも返済はしなければいけないので、効率的な資金繰りが必要になりますよね。
そこで活用すべきなのはファクタリングによる売掛金の早期現金化です。
ファクタリングとは、企業が持っている売掛金(代金の支払いを後から請求できる権利)をファクタリング会社に売却し、手数料を引いた金額を現金で受け取ることです。
ファクタリングを利用することで、売上を即時現金化することができます。
ただし、手数料がかかるため通常より受け取る金額が少なくなるというデメリットもあります。
ファクタリングについてはこの記事で簡単に説明しているので、ぜひ参考にしてください。
資金繰りが厳しくなると、返済条件の変更や据置期間を延長したくなりますよね。
金融機関に了承を得るものなので延滞のリスクもないですし、その間に資金繰りがうまくいけば一気に返済できる可能性もあります。
しかし、リスケを行うということは資金繰りが厳しいということなので、金融機関からの評価が下がってしまいます。
リスケ中に新規借入をすることはできなくなってしまうため、借り入れ以外の方法で資金調達をする必要があります。
リスケ後に経営が悪化してしまうと、もう打つ手がなくなってしまう可能性が高いです。
そのため、リスケは最終手段として残しておきましょう。
資金繰りが厳しいからと言って、返済を延滞するのは絶対にやめましょう。
返済を延滞してしまうと、金融機関からの信頼はガクッと下がってしまいます。
そのため、そこ後にリスケを申し出たとしても応じてもらえなくなってしまいます。
特に、月を跨いで延滞してしまうとかなりのリスクがあるので絶対に避けた方がいいです。
遅延損害金が発生して返済額が増えてしまう可能性もありますし、最終的には担保物件の差押えまでに発展してしまいます。
延滞だけは絶対にしないでください。
返済するお金を工面するために税金や社会保険の支払いを怠るのは絶対に避けてください。
納税は義務なので、それもできない会社など信頼度がまったくなくなり評判も地の底まで落ちてしまいます。
今後の融資やリスケも受け入れてくれなくなるので、企業としてやっていけなくなってしまいます。
嘘や誤魔化しも絶対にやめましょう。
嘘をついても取引記録などでバレますし、嘘がばれた場合金融機関からの信用度はゼロになります。
また、誤魔化したとしても徹底的に追及されるのでなんの意味もありません。
本当に厳しくなった場合は正直に金融機関に申請し、リスケしてもらった方が誠実です。
ゼロゼロ融資は中小企業をかなり助けてくれる制度でしたが、返済が必要という点で不安を抱えている企業も多いと思います。
民間ゼロゼロ融資の返済開始ピークは始まっていますが、返済しながらも様々なやり方を使って返済資金を増やしていってください。
ぜひここで紹介した方法も参考にしてくださいね。
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