SDGsの取り組みが世界的に推進されており、積極的に取り組みを行っている企業も多いです。
しかし、中にはSDGsの取り組みを行っていると見せかける企業もいるようです。
今回はそのような不正行為に対して言及し、最後は対策方法をご紹介したいと思います。
SDGsとは
SDGsは、Sastainable Development Goals(持続可能な開発目標)の頭文字を取ったもので、193か国が2030年までに達成すべき17個の目標のことです。
貧困・環境汚染・感染症・不平等など、様々な課題がある各国において、全人類が地球で安心して暮らしていけるにはどうすればいいかを考えて立てられました。
どんな目標があるのか、日本ではどのような取り組みが行われているかはこちらの記事をご覧ください。
SDGsウォッシュとは
SDGsウォッシュとは、SDGsの取り組みを行っていると公言しておきながら、実態が伴っていない行為のことを言います。
環境に配慮しているとパッケージなどで言っているにも関わらず、実際は十分な配慮ができていない行為である「グリーンウォッシュ」が元になっています。
そのため、SDGsの中でも環境問題に関する過大広告はグリーンウォッシュに位置付けられます。
SDGsの重要性が世界中で高まってきているため、SDGsの取り組みを行っている企業も増えてきています。
その中で、SDGsウォッシュの発生率も増加してきているのです…!
なぜ起こってしまうのか
なぜSDGsウォッシュが起こってしまうのでしょうか。
サプライチェーンの部分まで把握できていない
SDGsに貢献する活動をしている場合でも、その活動だけでなくそれが生まれる過程にも目を向けなければいけません。
例えば、エコに配慮した製品を作っているとしても、その原材料を調達する現場では児童労働や強制労働が行われているとしたら、それはSDGsに貢献しているとは言えません。
このように、SDGsに貢献する活動のサプライチェーンにまで意識を向けなければSDGsウォッシュとみなされてしまうのです。
社内にSDGsが浸透していない
企業全体では「SDGsに貢献するこんな活動を行っている」と公言していても、社内にSDGsの重要性が伝わっていないと意味がありません。
従業員は「なぜSDGsの活動をしなければいけないのか、企業に何のメリットがあるのか」ということが理解できず、結果的にSDGsの活動に積極的になってくれる人が増えていきません。
それにより、表ではSDGsの活動をしていると言っているのに実際は全く活動が行われていないことになってしまいます。
企業で掲げているだけでは意味がなく、従業員に協力してもらう必要があるのです。
問題の根本を解決しようとしていない
サプライチェーンを把握していないのもそうですが、上辺だけのSDGsへの貢献で満足してしまうのもSDGsウォッシュに繋がります。
自社で扱っている商品が環境に配慮していたり売り上げの一部を寄付していたりしていることで「SDGsに貢献する商品を作っている」と公言するのは危険です。
その生産により化学物質が大量排出されていたり、ゴミがたくさん出ていたりしたらそれはSDGsに反した取り組みになってしまいます。
表面には出てこない問題を見つけて解決することを心がけましょう。
SDGsウォッシュによる企業への影響
企業の信頼度低下
SDGsウォッシュは「嘘をついて過大広告をしている」とみなされるため企業の信頼度が下がってしまいます。
社会的信頼度が下がってしまうことで、消費者や取引先、株主などからのイメージが悪くなり経営に支障をきたす恐れがあります。
売上の減少
社会的信頼度・好感度が下がってしまうと、売上の減少に繋がります。
売上が減少することで店舗を縮小したり従業員を解雇しなければいけなくなり、最悪倒産するリスクも秘めています。
大手企業がSDGsウォッシュをしてしまうと、その影響はかなりのものになるでしょう。
株価の下落
投資家や株主からの信頼度も下がってしまうため、株価の下落が考えられます。
最近はESG投資(環境・社会・ガバナンス要素も考慮した投資)が主流になってきているため、SDGsウォッシュの発覚でESG投資銘柄から除外されることでも株価が下がってしまいます。
このように、SDGsウォッシュをしてしまうと企業へのダメージがかなり大きいのです。環境や社会問題への危機意識が高まっている現代では、SDGsウォッシュを行うリスクをしっかり考えた上で、広告表示は慎重に行ってくださいね!
SDGsウォッシュの事例を見て炎上を防ごう
ユニクロ
ユニクロを運営するファーストリテイリングでは、新疆ウイグル自治区で作られる綿を使用しているため、それがウイグル人の強制労働に繋がっていると指摘されました。
フランスではユニクロの告発が行われ、アメリカではウイグル自治区からの輸入禁止措置を違反したとしてユニクロ商品を差し止める事態にまで発展したそうです。
ウイグル産の綿を使っているのはユニクロだけでなく、NIKE(ナイキ)やH&Mなども使用していたためそれらのメーカーで不買運動が発生したそうです。
Nestle
コーヒーやキットカットを発売しているNestleでは、森林破壊を助長するパーム油業者との取引を辞めると宣言したにもかかわらず、実際は取引を続けていたことが発覚しSDGsウォッシュだと指摘されました。
このように、大手でもSDGsウォッシュが起こってしまうのが現状です。
SDGsウォッシュはどう対策すればいいのか
SDGsウォッシュを起こさないためには、どのような対策を行えばいいのでしょう。
曖昧な表現をしない
曖昧で、人によって捉え方の異なる表現は一番危険です。
大手の過大広告を受け、前よりもSDGsウォッシュに厳しくなっています。
SDGsの取り組みを公言する際は、しっかりした根拠と共に誤解を招かない表現を使いましょう。
本当に達成できる目標かを確かめる
SDGsの取り組みとして今掲げている目標は、本当に達成の見込みがある内容でしょうか。
達成する見込みも見えておらず、達成する気もない場合、それはSDGsウォッシュになってしまいます。
目標を掲げる際は、達成できるかを考えてしっかり計画を立てるようにしてください。
表現方法が適切かどうかを検証する
データを偽装したり根拠ないものを達成の証拠をして掲げるのはとても悪いことですが、何も考えずに公表してしまうのも企業として配慮に欠ける行動と言えます。
例えば、分かりずらい言葉を使ったりエコとはかけ離れた商品を「エコ」と言って販売したり。
広告やホームページで公言する前に、表現方法は間違っていないか、根拠あるデータを見せられるかを検証してください。
社内に共有する
SDGsの重要性を伝え、自社でどのようなSDGsを行っていくのかを社内共有してください。
その際は、どうしてその取り組みを行うのか、会社や従業員にどのようなメリットがあるのかなどを細かく伝えてください。
従業員の協力がないとSDGsの取り組みは達成できません。
反応によっては目標の変更も必要になるでしょう。
まとめ
SDGsウォッシュは企業にとってもデメリットが多いですし、社会や環境にも悪影響を及ぼしてしまいます。
「SDGsの取り組みを企業内で行いたい!」と思うのは素晴らしい事なので、まずは達成できる小さな目標から叶えていきましょう。
小さな取り組みでも、ずっと続けていけば環境や社会に大きな変化をもたらすことができます。
SDGsウォッシュに注意して、SDGsの取り組みを積極的に行っていってください♪
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