原稿を印刷する時、「文字が小さいから拡大して印刷したい」「全体が見やすいように縮小して印刷したい」という時がありますよね。
こんな時は縮小/拡大印刷をしますが、この設定が結構ややこしかったりします。
この記事を読めば縮小/拡大印刷のやり方が理解できるようになるので、ぜひ読んでいってください。
縮小/拡大コピーする際の倍率の計算方法
倍率とは、元のサイズに対してどのくらいの大きさかを表すものです。
面積の大きさではなく辺の長さを縮小・拡大した時の大きさを表しているので覚えておきましょう。
定型サイズの場合
定型サイズの場合は、「出力用紙の長さ÷原稿用紙の長さ×100=コピー倍率(%)」で計算できます。
出力用紙と原稿用紙の長辺同士、短辺同士で計算式に当てはめると倍率を出すことができます。
どちらで計算しても同じ数字になるので計算しやすい方を選んでください。
なお、小数点以下の数字は切り捨てになります。
特殊サイズの場合
特殊サイズの倍率変更をする場合、上記の計算方法に当てはめても、長辺同士と短辺同士の計算結果に違いが出てしまいます。
例として、B5の原稿用紙を名刺サイズに縮小する場合の計算を出してみましょう。
原稿用紙:B5(182×257)
出力用紙:名刺サイズ(55×91)
長辺の計算は91÷257×100=35.408・・・
短辺の計算は55÷182×100=30.219・・・
このように、長辺同士と短辺同士で計算結果が違います。
印刷するどちらを選んでもいいですが、倍率が大きい方で印刷すると余白がなくなるため見た目があまり良くないと思います。
余白が欲しい場合は倍率が低い方がおすすめです。
希望に合った仕上がりを再現できる方を採用しましょう。
用紙のサイズと倍率と使用例
主な用紙のサイズを表にまとめたので、縮小/拡大印刷する際に参考にしてください。
大きさをイメージしやすいように、サイズごとにどんな印刷に使用するのかも記載しています。
Aの用紙 | サイズ | 使用例 | Bの用紙 | サイズ | 使用例 |
A0 | 841×1189 | パネルデザイン | B0 | 1030×1456 | 展示会ポスター |
A1 | 594×841 | ポスター | B1 | 728×1030 | 映画館ポスター |
A2 | 420×594 | 壁掛けカレンダー | B2 | 515×728 | タペストリー |
A3 | 297×420 | パンフレット、メニュー | B3 | 364×515 | 中吊りポスター |
A4 | 148×210 | ノート | B4 | 257×364 | 折込チラシ |
A5 | 148×210 | ハードカバー本 | B5 | 182×257 | ノート、手帳 |
A6 | 105×148 | 文庫本 | B6 | 128×182 | ガイドブック |
こちらは定型サイズの倍率になります。
縦列が元のサイズで、横列が変更するサイズになっています。
例えば、A2→A3の場合は71倍になり、A4→A2の場合は200倍です。
縮小倍率に関して、同じ規格で一つ上のサイズにする場合は141倍、同じ規格で一つ下のサイズにする場合は71倍となるので覚えておきましょう。
A2 | A3 | A4 | A5 | B4 | B5 | B6 | |
A2 | 100 | 71 | 50 | 35 | 61 | 43 | 30 |
A3 | 141 | 100 | 71 | 50 | 87 | 61 | 43 |
A4 | 200 | 141 | 100 | 71 | 122 | 87 | 61 |
A5 | 284 | 200 | 141 | 100 | 174 | 122 | 87 |
B4 | 163 | 115 | 82 | 58 | 100 | 71 | 50 |
B5 | 231 | 163 | 115 | 82 | 141 | 100 | 71 |
B6 | 328 | 232 | 164 | 116 | 201 | 142 | 100 |
コピー機で倍率設定する際は”自動”か”固定”
コピー機には、「自動倍率選択」と「固定倍率」という機能があります。
どう違うのかここで確認して、場面に合わせて使い分けていきましょう。
自動倍率選択
A4、B5など原稿サイズと用紙サイズが決まっている場合に使う機能です。
コピー機が自動的に用紙にあったサイズの倍率を計算して印刷してくれるので、倍率を計算する必要がなく手軽なのが特徴です。
倍率を変える印刷では一般的な方法で、A4→A3、A4→B5など簡単に縮小・拡大をすることができます。
固定倍率
こちら側で倍率の比率を調整したい時に使う機能です。
用紙のサイズではなく原稿の内容のサイズを変えられるので、「もう少し余白がほしい」という場合におすすめです。
50%~200%まで倍率を変更することができます。
ただし、用紙のサイズに対して文字が小さすぎたり大きすぎたりする場合があるので調整が難しいのが難点です。
数値は少しずつ調整するようにしましょう。
【メーカー別】縮小/拡大コピーの操作方法
では、メーカー別の倍率変更方法を紹介していこうと思います。
シャープ
原稿サイズと出力サイズを決めて倍率設定を行いましょう。
- 原稿用紙を原稿自動送り装置またはガラス面にセットする
- シンプル設定の場合、「シンプルコピー」を押す
- 画面が変わるので、右上の「詳細」を押す
- 切り替え確認のボタンが出るので「はい」を押す
- ホーム画面の「コピー」を押す
- 基本画面が出るので、「倍率」を押す
- 倍率画面が表示されるので、変更したいサイズに合わせて倍率を選択する(周りに主な倍率が書いてあるので参考にすると良い)
- 設定が終わったらコピーを開始する
富士フイルムBI
- 原稿をセットする
- ホーム画面で「コピー」を押す
- 倍率をタップ
- 倍率を25%~400%の範囲で設定する
- 定型サイズの場合は、一覧の中から選択することができる
- カラーなどその他設定を行い、スタートを押す
キヤノン
- ホーム画面で「コピー」を押す
- 倍率を押して倍率設定をする
- 設定ができたらOKを押してコピーする
どのメーカーの複合機でも倍率自動選択機能があり、自動で倍率を設定してくれるので効率よく倍率変更ができます。
RICHO
- ホーム画面で「コピー」を押す
- 倍率の画面が出るので、「変倍」を押して定型サイズの場合は変更したいサイズにあったボタンを押す
- 原稿をセットして、「自動用紙選択」を押す
- スタートボタンを押す
倍数を自由に変更したい場合は、
- 「変倍」を押す
- 数字のところで「テンキー」か「+/-」ボタンを押して、好きな倍率に変える
- 「OK」を押す
- 原稿をセットする
- 自動用紙選択を押す
- スタートを押す
このように、どのメーカーの複合機でも操作はそこまで変わりません。
定型サイズの倍率変更であればボタンが用意されているので簡単に変更することができるということを覚えておきましょう。
これで失敗しない♪倍率変更のコツ
縮小/拡大印刷をする際に失敗しない準備や設定のコツを紹介します。
倍率変更する時はぜひ参考にしてください。
用紙をしっかりセットする
倍率設定が合っていても、用紙がしっかりセットされていないと印刷がずれて失敗してしまいます。
自動原稿送り装置を使う場合もガラス面を使う場合も、原稿用紙がちゃんと端にセットできているかを確認してください。
予め倍率を確認しておく
予め変更したい倍率を確認しておくことで、印刷の失敗を防ぎ作業効率もアップします。
定型サイズの倍率変更は機械の中に組み込まれているので簡単にできますが、自分で設定したい場合は倍率の仕組みを理解して計算しなければいけません。
印刷前に上記で紹介した倍率表を参考にして、スムーズに印刷を行ってください。
小さめ設定を利用する
複合機の設定には、「すこし小さめ」というボタンが付いている場合が多いです。
これは、指定した倍率よりも少し小さめに印刷してくれるため、余白を残して印刷することができます。
余白を残して印刷したいけど、倍率設定に不安がある場合はこのボタンを押すことで余白を残しつつ希望のサイズに印刷することができます。
ぜひ使ってみてください。
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