デジタル技術の進化に伴ってVTuberとして活動する人が増えてきており、現在は1万人以上になっております。
令和を象徴するこの存在をブランディングに使う企業も増えてきています。
今回は、VTuberマーケティングについて紹介していこうと思います。
VTuberとは
VTuberは「バーチャルYouTuber」の略で、2Dや3Dのキャラクターの姿でYouTube活動をしている人たちのことを言います。
VTuberは2016年に活動を始めたキズナアイさんが発祥したもので、そこからVTuberという言葉が世に浸透していきました。
キズナアイさんはYouTubeだけでなくテレビにも出演しており、ダウンタウンDXにも出たことで話題になりましたよね。
今は数多くのVTuberが活動しており、ライバーグループである「にじさんじ」や海外で活動している「がうる・ぐら」という人もおり、多種多様なキャラクターが存在しているのです。
YouTuberとの違い
YouTuberとの違いは、自分の顔を晒して活動しているか否かです。
VTuberもYouTuberも、ゲーム配信・歌・雑談など、やることはほとんど変わりません。
VTuberマーケティングのメリット・デメリット
VTuberマーケティングにはどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
SNSで拡散しやすい
VTuberにはSNSでのコミュニティを持っているファンが多く、SNSで拡散されやすいです。
推しのVTuberが企業とコラボしたとなればそれをSNS上で宣伝するファンも多いです。
話題になってバズることができれば、企業のブランディングにも繋がることでしょう。
人気のVTuberとコラボできれば、一気に多くのファンへと企業認知を広めることができて商品購入にも繋がるでしょう。
スキャンダルが起きにくい
VTuberは顔出しをしていないため、スキャンダルが起きにくいというメリットがあります。
企業的にも、スキャンダルが起きてしまうと企業イメージが低下する恐れもあるので活動者とのコラボはリスクを伴いますが、VTuberであればそのような心配は少ないので、コラボがしやすのです。
もちろん、過激な発言や行動で炎上し活動を終了しているVTuberもいますが、その人たちはキャラクターを変えて活動している人が多いです。
企業VTuberはブランディングに繋がる
企業専用のVTuberは、キャラクターを通して企業を知ってもらうことができます。
キャラクターがあることで興味を持ってくれる人もいるので、ブランディングに繋がります。
企業専用なので企業にあった内容を投稿し続けることができるのもメリットです。
デメリット
ターゲットが偏りやすい
VTuberを受け入れている世代はZ世代と呼ばれる若者が多いです。
そのため、ターゲット層が若者に偏りやすいというデメリットがあります。
年齢の高い層はVTuberに抵抗を持っている人も存在するので、企業のターゲット層がどの年代かどうかもVTuberマーケティングを使うかどうかの分かれ道です。
キャラクターのイメージ変化へのリスク
VTuberのキャラクターイメージが変わってしまうと、企業商品・サービスとの親和性にも変化が生じてしまいます。
キャラクターイメージが変わるかどうかは予測できないので、リスクが伴います。
企業VTuberはランニングコストがかかる
企業VTuberの場合、中の人を探したりどんな動画を上げていくかを企業内で考えたりする必要があるので、ランニングコストがかかるというデメリットはあります。
人気VTuberはコストが高い
人気VTuberとのコラボは大勢への認知度向上が期待できますが、その分高いコストがかかってしまいます。
予算を確認して、無理なく案件依頼を行いましょう。
VTuberに案件を依頼する手順
VTuberに案件依頼をする際の手順を知っていきましょう。
ターゲットを決める
まずは商品・サービスのターゲットを決めましょう。
その商品・サービスをどの層に届けたいのか、VTuberに案件を依頼する目的は何なのか(認知度向上、購入率のアップ等)、どのような内容で紹介してほしいのかなど、打ち合わせがスムーズに進むように、軸の部分をしっかり構築していきましょう。
イメージに合うVTuberを探す
ターゲット層や目的が決まったら、商品・サービスに合いそうなVTuberを探します。
VTuberはいろんなキャラクターがいるので、VTuberを探せるサービスを使うと探しやすいです。
また、企業とVTuberを繋ぐサービスを展開している企業もあるので、そこでお願いすることで素早く企業イメージに合ったVTuberとマッチングすることができるでしょう。
ぜひ調べてみてください。
VTuberに案件の問い合わせをする
依頼するVTuberが決まったら、次は問い合わせを行います。
事務所に所属しているVTuberは事務所に問い合わせるのがいいでしょう。
HPの問い合わせページから案件依頼を送ってみてください。
個人VTuberの場合は直接メールを送りましょう。
YouTubeの概要欄にお仕事用メールアドレスを貼り付けている場合が多いので、そちらから問い合わせましょう。
案件内容や条件をすり合わせる
VTuberから連絡が帰ってきたら、案件内容の説明や報酬などの条件面のすり合わせを行います。
動画の流れは企業側でしっかり決めるよりも、VTuber側に任せた方がうまく宣伝してくれやすいです。
「商品を使ってみての感想を伝えてほしい」「どういう風に日常で活用できるかアイデアを出してほしい」など、大まかな希望を伝えるのはいいと思います。
動画作成をしてもらい内容確認をする
動画を作成してもらい、内容が趣旨にあっているか確認します。
確認段階で気になる部分は修正してもらい完成に近づけていきます。
修正がなければそのまま動画を投稿してもらいます。
広告配信をする
企業とVTuberの案件動画をSNSやホームページで宣伝します。
VTuber自身にも宣伝してもらい、多くの人から反響をもらえるように働きかけます。
VTuberに案件依頼をする流れはこのようになります。
VTuberも中身は人なので、人気だと打ち合わせの時間がうまく取れずに動画投稿まで時間がかかることもあると思います。
VTuberとはいえその人は一人しかいないことを理解して、時間を合わせて打ち合わせを行ってください。
企業専用のVTuberを作る方法もある!その作り方は?
既存のVTuberに依頼するのではなく、企業専用VTuberを作るという方法もあります。
企業専用であれば商品・サービスの宣伝も好きにできるので企業としてはメリットが多いと思います。
ここでは企業用VTuberの作り方を紹介していきます。
①キャラクターのコンセプトを考える
VTuberを作る目的を決め、目的達成を念頭に置いてキャラクター作りをしていきます。
企業や商品・サービスに合った見た目はもちろん性格・名前などの細かい部分も設定していきます。
例えば、炭酸水のような刺激のある飲み物を売っているなら元気いっぱいのキャラクターにする。
パソコンやAV機器などを売っている場合は知的なキャラクターにするなど。
➁キャラクターのモデリングをする
キャラクターのコンセプトや見た目が決まったら、2Dまたは3Dでモデリングをします。
これには知識が必要なので、外部のデザイナーに頼むのがおすすめです。
依頼する場合はキャラクターの見た目はもちろん性格なども細かく伝えるのが大事です。
動く際に必要な様々な表情を用意してもらう必要があるので、喜怒哀楽の表現をキャラクターのイメージに合ったものにするには細かな設定の確認が必要なのです。
③キャスティングをする
キャラクターに合った活動をしてくれる中の人を探す必要があります。
企業のイメージを背負う役割があり継続して活動していく必要があるので、しっかりとした打ち合わせが必要になります。
社内の人を起用するという方法もあります。
④動画を投稿する
目的達成のためにどのような動画を投稿していくかを話し合い、動画の撮影・編集・投稿を行います。
企業イメージを壊さないことも大切ですが、企業の商品・サービス紹介だけでなくキャラクター認知度向上のために歌を歌ったり他VTuberとコラボしたりという活動も重要になります。
キャラクターの認知度向上は企業の認知度向上にも繋がるので疎かにしないようにしましょう。
VTuberを使ったマーケティング事例4選
湊あくあ×スシロー
画像出典:食品産業新聞社
ホロライブの所属する、登録者数180万人越えのVTuber「湊あくあ」とスシローがコラボしました。
対象商品を持ち帰り購入すると湊あくあのコラボグッズがもらえるというものです。
コラボオンラインショップも開設され、そこではオリジナル湯呑やアクリルキーホルダー、タペストリーなどが販売されたそうです。
この商品を販売するにあたってセットに入れるお寿司のネタを決めるライブ配信が行われたそうです。
視聴者参加型で一緒にネタを決められるのは楽しいコラボですよね♪
コラボは大好評で、コラボグッズセットは初日でほとんど売り切れてしまったそうです。
小田信姫×エレコム
画像出典:MoguLive
パソコン周辺機器メーカーの「エレコム」と、型にはまらない自由な活動で人気を得ていたVTuber「織田信姫(引退済)」がコラボ動画を出しました。
VTuberのリスナーがエレコムのターゲットに合致していることから、VTuberとのコラボを決意したエレコム。
案件獲得に積極的だった小田信姫さんに案件依頼をしたそうです。
打ち合わせをする中で「社員さんが動画に登場してもらえないか」という提案をされ、それを承諾。
営業担当が「マキオ」として動画に登場することとなりました。
これにより予想以上の反響をもらうことができ、動画内で紹介した商品の購入数増加にもつながったそうです。
サントリーのVTuber「燦鳥ノム」
画像出典:サントリーHP
サントリー公式のVTuberです。
水の国出身で、「ですわ」などのお嬢様口調なのが特徴です。
動画の最初にはサントリー商品の飲み物を必ず飲むシーンが入り、サントリー商品のPRにも繋がっています。
2019年には、日本最大級の広告賞「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」にてVTuber初のACCシルバーを受賞したそうです。
活動としては歌やゲーム実況など一般のVTuber達と一緒ですが、そこに自然な感じでサントリー商品のPRを含むことでリスナーに違和感なく商品紹介をしているのが素晴らしい広告方法ですよね。
雪花ラミィ×日本酒明利酒類
画像出典:PRTIMES
ホロライブ所属の登録者数115万人の人気VTuber「雪花ラミィ」とお酒の製造・販売会社である「明利酒類」がコラボしました。
雪花ラミィさんは好きなものとして日本酒を上げていることもあり、晩酌をしながら雑談をする動画がいくつもアップロードされています。
そのようなキャラクターということもあり、「ラミィの日本酒づくりプロジェクト」という企画が始動しました。
そこで日本酒エントリー者向けの「雪花月 オリジナル版」という日本酒を作りました。
この日本酒は世界最大規模・最高権威の日本酒世界大会IWC2022でブロンズメダルを受賞したそうです。
このように、VTuberとコラボしたことで売上がアップしたり企業認知に繋がったりしている企業は多くあります。
VTuberのリスナーに需要がありそうな商品・サービスを取り扱っている場合は、ぜひVTuberへの案件依頼を検討してみてください♪
VTuberとコラボして企業マーケティングに活かそう♪
VTuberはYouTuberと同じく多くの人に影響を与えるクリエイターなので、企業にとってもいい影響を与えてくれます。
特にBtoC向けの商品・サービスや食品系などとは相性がいいので、認知度アップや売上アップで悩んでいる場合はVTuberに案件依頼を検討してみてください♪
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