会社では会議がつきものですが、長時間行うだけの会議はもう卒業しましょう!
会議を有意義なものにするために、会議を左右する司会のための、会議の進め方をご紹介します。
会議には種類が4つある
一言で「会議」といっても、会議にはいくつか種類があります。
- 意思決定会議
- 議論会議
- コミュニケーション会議
- スケジューリング会議
ひとつずつ見ていきましょう。
意思決定会議
行動を決めるための意思決定を行い、決定したことを参考に今後のスケジュールや業務の指示だしを行うための会議です。
会議で決定したことにどれだけの参加者が納得しているかが重要になります。
意思決定後の行動も会議で決めるため、参加者は自身の仕事への影響を考慮して疑問点や不安点を会議内でできるだけ伝えましょう。
会議の例:役員会議・経営会議
議論会議
アイデア出し、課題発見、課題解決のための意見を出す会議です。
まずは多くの意見を出してもらうために、どんな意見も否定せずどんどん発言してもらいます(ブレインストーミング)。
その後、出た意見の中から真意をついていたり実現できそうなものをピックアップし、意見を磨いていきます。
議論会議はたくさんの意見が出ることが重要なので、その場に集まって行うのが最適な方法です。
ホワイトボードや付箋を使って、たくさんの意見を自由に出してもらいましょう。
会議の例:ネタ出し会議・ブレインストーミング・アイデア会議
コミュニケーション会議
情報共有や報告、進捗確認のための会議です。
今どのような状況なのかを参加者全員に把握してもらうため、発言者は事前に報告内容をまとめておく必要があります。
共有する情報が多い場合は、資料を作成することでより分かりやすくなります。
コミュニケーション会議は、情報共有だけなのでリモートで可能です。
内容が複雑でなければチャットやメールのみの報告にして会議時間を削減しましょう。
会議の例:報告会・営業会議・連絡会議
成果報告会議
業務の開始や終了時、あるいは年の真ん中などのタイミングで区切りをつけるための会議です。
今までの成果や事業の今後の目標などを伝え、社内・チームの活気を上げるために行われます。
必ずしもその場にいる必要はなく、他支店のメンバーやテレワーク中のメンバーはweb会議を通して参加するのもいいでしょう。
会議の例:年始会・中間報告会議・決起会
あなたが進行する会議はどれに当てはまりますか?開催する会議の目的を把握し、意味のある会議をしましょう!
一番大事な事前準備について
会議を効率よく進めるためには、事前準備が一番重要です。
事前準備をしっかり行うことで、会議中の無駄な時間を省き、一番重要な部分に多くの時間を使うことができるのです。
事前準備でしておくことは以下のことです。
- 会議参加者を絞る
- 会議の目的の把握・共有
- 事前の情報共有・資料提供
- 会議時間の決定
- 会議前に参加者にしてほしいことを伝える
- 会議の進行の流れを作っておく
会議参加者を絞る
会議の参加者が多すぎると、意見も出しづらく収集がつかなくなります。
参加者が7人を超えると生産性が10%下がると言われているそうです。
そのため、参加者は7人程度に抑えましょう。
報告会議の場合は、各部署やプロジェクトごとに代表者1人が参加し、効率よく話せるように話す内容をまとめておいてもらいましょう。
会議の目的の把握・共有
まず初めに会議の目的を司会者が把握し、それを参加者に共有してください。
会議の目的を理解することで会議のゴールも明確にすることができ、そこに向かって会議の流れを作ることができます。
また、目的だけでなく議題も明確にし参加者に共有しましょう。
参加者にも共有することで、「どんなテーマで話し合うのか」を事前に把握でき、会議前にその内容を考えることができます。
そうすることで、会議中に話が横道に逸れたり意見がでないなどのトラブルを防ぐこともできます。
事前の情報共有・資料提供
既に決まっていることは参加者に共有しておきましょう。
また、会議で使う資料がある場合はそれも事前に渡しておきましょう。
そうすることで、会議開始後に情報共有や資料読み込みの時間が短縮されて、会議を効率的に進めることができます。
会議時間の決定
会議時間を決めましょう。
長時間行っても、集中力が切れるだけで時間の無駄です。
人が集中できるのは最大でも90分と言われていますが、会議は1時間以内に収めるのが理想です。
15分ごとに休憩をとって、集中が持続するように時間を設定しましょう。
また、会議をする時間帯は午前中の10~11時に行うと良いそうです。
行う曜日としては、社員のモチベーションが高い水曜日や木曜日がおすすめです。
会議前に参加者にしてほしいことを伝える
会議前に、参加者に宿題を課すのも会議を効率化するポイントです。
「事前に資料を読んで質問を1つ以上考えてくる」など、会議前にやってほしいことを伝えておけば、意見が出なかったり会議の勢いが停滞することはなくなります。
参加者も会議の内容が頭に入った状態で参加できるので、情報共有しない場合と比べて集中力も持続しやすいでしょう。
会議の進行の流れを作っておく
この記事を見ている人は、これから始めて会議の司会を行う人だと思います。
司会に慣れていないのなら、会議の進行表を事前に紙に書いておき、それを見ながら会議を進めるといいでしょう。
進行表があることで、話が逸れるのを防いだり、次の行動を忘れて会議のいい流れを止めてしまうリスクもなくせます。
何より司会者本人が安心して進行できるので、焦らずに会議を進めることができるでしょう。
進行の流れだけでなく、トラブル時の対処法もメモっておくといざという時に対処することができます。
これらのことを会議前にやっておくだけで会議に対する安心感が違います。
ぜひ事前準備を大事にしてください!
会議の進め方のコツ
それでは、会議当日の進め方について説明していきます。
この進め方は、一番開催頻度が多いであろう意思決定会議や議論会議に向いています。
- ➀アイスブレイクをする
- ➁会議の目的と議題、ゴールを伝える
- ➂会議に費やす時間を伝えておく
- ➃アジェンダに沿って会議を進める
- ➄意見を聞く場面では、まず個人で考える時間をとる(事前準備で質問を考えてもらった場合は省略OK)
- ➅意見を書き出す
- ➆結論が出たら、誰でもわかるようにまとめる
詳しく見ていきましょう。
➀アイスブレイクをする
まずは、自分と参加者の緊張をほぐすためにアイスブレイクを行いましょう。
会議と聞くと多くの人が固くなってしまうので、その固い雰囲気を崩すことで意見が言いやすくなって有意義な会議が行えます。
アイスブレイクには、いろいろ方法があります。
自分の「実は○○なんです」という意外な一面を言い合う自己紹介で緊張をほぐしつつ相手のことを知れる短時間のものから、
「十人十色」というゲームで、チームを作りその中の1人をターゲットにして「あんこは粒あん派、こしあん派?」などの好みに関する問題を出し、それを当てていくゲーム形式の長時間行うものまで様々です。
ゲーム形式のものは、緊張をほぐすだけでなく有意義な会議を行うためのヒントとなる内容になっているのです。
上記の「十人十色」では、人はそれぞれ好みが違い、考えていることも違うことを再認識することができ、相手の意見を否定することなくまずは受け入れる姿勢を学ぶことができます。
アイスブレイクは会議のために重要なことであり、参加者も楽しくできてその後の会議へのモチベーションもアップすることができます。
➁会議の目的と議題、ゴールを伝える
アイスブレイクでそれぞれの緊張が解けたら、これから会議を始めるという区切りをつけるために、今回の会議の目的と議題とゴールを改めて参加者に伝えましょう。
一度伝えられている会議の目的や議題をもう一度伝えることで、会議の内容に気持ちを向けることができます。
司会者としても、この会議は何を目的にしているかが再認識できます。
➂会議に費やす時間を伝えておく
会議の予定時間を伝えておくことで、参加者全員が時間を意識しながら会議を行うことができるので、無駄な時間を省いて効率よく会議を進めることができます。
それぞれの項目でどのくらい時間を費やすのかも伝えることで、予定時間とずれる可能性が低くなります。
➃アジェンダに沿って会議を進める
そこまで伝えたら、いよいよ会議開始です。
意見を言い合う場面では、必要に応じて指名したり、質問を考えてきてもらった場合には一人ずつ意見を言っていってもらい、そこから議論を始めるのもいいですね。
誰も出ない場合は自分の意見をいったり、他の人の意見に質問をしたりと、司会者は会議を停滞させないように積極的に発言していきましょう。
➄意見を聞く場面では、まず個人で考える時間をとる
意見を言い合う中で新たな疑問が生まれたりした場合は、一度個人で考える時間をとり、その後意見を言ってもらいましょう。
そうすることで、自分の考えがまとまり発言しやすくなります。
なかなかいい意見が出ない場合は、一度休憩をはさみましょう。
休憩中に周りと話したりして考えてもらうこともでき、相手の意見をいれることでアイデアに磨きをかけられます。
➅意見を書き出す
会議では議事録係がいたりと、会議の内容を書きとめるのは当たり前のことですが、複数の意見をまとめるために必要なことです。
ホワイトボードなどに今までの意見を書き出すことで、前の意見をヒントに新しい意見が出る可能性もあります。
また、意見の内容をそれぞれのカテゴリーに分けて考えることで、より結論に近い意見を生み出せるのではないでしょうか。
(議論会議の場合、実現可能な意見と斬新だけど実現が難しい意見 など)
➆結論が出たら、誰でもわかるようにまとめる
最後、みんなが納得できる良い意見がでたら、なぜこの意見がいいのかをわかりやすくまとめて書き出しましょう。
分かりやすくまとめて書き出しておくことで、後から「なんでこの結論になったんだっけ?」と後から思い出す時に証拠となります。
ホワイトボードに書いたものは、消す前にしっかり写真やデータで保存しておきましょう。
このような流れで、参加者の意見を促すようにサポートを行いつつ進めていくことで、有意義かつ効率的な会議を行うことができます。
ぜひ参考にしてくださいね♪
【状況別】困った時の切り抜け方
「こんな場面にであったらどうしよう…」という不安がぬぐえない人も多いでしょう。
そこで、会議中よくあるトラブルに対してどうやって対処すればいいか教えます!
発言者の話の内容が横に逸れてしまっている場合
「○○さんの意見は素晴らしいですが、今回の議題とは少しかけ離れている内容なので、その意見は別の機会に話し合いましょう。今回の議題についてはどう思いますか?」
という風に、話が本題に戻るように促しましょう。
これは司会者しかできない行動です。
司会者が動かないとどんどん横道に逸れてしまうので、逸れていることを察したら早めに戻してあげましょう。
話が長く本人も収集が付かなくなっている場合
話が長い人は、自分が思っていること全てを言葉にして伝えようとします。
そのため、収集が付かなくなってしまうのです。
自分でも何が言いたいのか分からなくなっていることが多いので、ある程度話を聞いたら
「○○さん、ありがとうございました。意見としては、△△ということでよろしいですか?」と、端的に言いたいことをまとめてあげましょう。
反対意見の言い合いがヒートアップしている時
意見を発表し合う場面では、意見が食い違うことも多々あるでしょう。
相手の意見を否定しないようにと事前に伝えていたとしても、話し合いがヒートアップしてくると言い合いになってしまうこともあると思います。
そんな時には、「一旦落ち着きましょう。お互いに尊重したいことがあるのは分かったので、みんなで話し合いをするためにそれぞれ主張を発表してください。」
など止めに入って、言い合いではなく意見の伝えあいに変換しましょう。
時間がかかりすぎている場合
話し合いをしていると、思ったよりも話が進まなかったり、逆に白熱しすぎて時間を過ぎてしまうことがあります。
司会者は時間配分を気にかけて会議のコントロールをすることも役割の一つなので、「話し合いは何時まで」と時間を区切ってメリハリをつけるようにしましょう。
アジェンダで決めた時間を厳守する必要はありませんが、会議の緊張感を持続させるためには切り上げタイミングの見極めも大事です。
次の議題へ移りたい時
残り時間を把握しつつ、次の議題に移ってもいいか参加者に確認しましょう。
しかし、まだ全然話がまとまっていない場合は無理に議題を次に移さず、ある程度話し合いがまとまるまでその議題でいくようにしましょう。
ある程度まとまったというタイミングを見極めて、次の議題に移ることを伝えましょう。
難しい質問が来た時
応えにくい質問がきたり、核心をつくような発言がでた場合、答えにくくて困ってしまいますよね。
核心をつくような質問の場合は、参加者全員でその質問を考えればいいです。
応えにくい質問の場合は、「なぜそのように思ったのですか?」と質問の意図・真意を確認しましょう。
より詳しく説明してもらうことで、質問の意味が理解できたりします。
このように、会議中は思わぬトラブルが発生し、焦ることもあるでしょう。しかし、まずは焦らずに周りを観察し、必要があれば周りの人に助けを求めましょう。
会議に参加している人は全員、敵ではなくて味方です。
この会議からよりよい意見を生み出したいと思って参加しています。
司会者一人が問題を抱えるのではなく、参加者全員でトラブルを対処していきましょう。
もし不安な方は、事前に「何かトラブルが起きたら助けて欲しい」ということを参加者に伝えておきましょう。
まとめ
会議を始めて進行するとなると、すごく緊張するし不安ですよね。
しかし、事前準備をしっかりして臨めば、安心して司会進行を務められます。
がんばってくださいね!
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