2023年10月に開始されるインボイス制度ですが、「電子インボイス」もインボイス制度に深く関わってくるものです。
電子インボイスとは何か、メリットや対応方法をご紹介していきます。
電子インボイスとは
まずはインボイス制度を簡単に説明します。
インボイス制度とは、事業者登録番号・適用税率・代金適格などの必要事項を記載した適格請求書(インボイス)を発行または保存しなければいけないという制度です。
適格請求書がないと仕入税額控除を受けることができず、納税額が増えてしまうのです!
インボイス制度について、詳しくはこちらで説明しているのでご覧ください。
そして電子インボイスとは、このインボイス制度において必要不可欠な適格請求書を電子データ化したもののことを言います。
2021年9月に、デジタル庁が「Peppol(ペポル)」という電子インボイスの国際標準仕様を管理する国際団体のメンバーとなり、Peppolをベースとした日本の電子インボイスの標準仕様の策定作業を本格化し、現在は「JP PINT」という標準仕様を策定し公開しているそうです。
電子データがメール本文のみ、PDFの添付、EDI(電子データ交換)などのいずれであっても、それは「電子インボイス」とみなされます。
世界標準規格「Peppol(ペポル)」とは
Peppol(ペポル)とは、請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための世界標準規格で、文書の運用ルール・文書の仕様などを定めています。
インボイス制度における適格請求書はフォーマットが定まっていないため、様々な形式が出てきてしまいます。
形式がバラバラだと、取引に時間がかかりスムーズな電子取引が行えなくなってしまいます。
そこで、Peppolが電子取引の中継地点となり、電子文書を標準化することで事務処理の負担が減り、スムーズなやり取りができるようになるのです。
Peppolを標準規格とすることで様々な企業が低コストで電子インボイスを導入でき、さらに国内外問わずストレスなく電子取引を行うことができます。
JP PINT(標準仕様)とは
JP PINTとは、Peppolネットワークでやり取りされる電子インボイスの日本の標準仕様のことです。
電子インボイスの国際標準仕様を管理する国際団体である「OpenPeppol」が、現在策定を行っている「PINT」という新しい国際標準仕様に、消費税制度への対応などの日本で求められる内容を盛り込んだものになっています。
JP PINTはPeppolの標準規格の一つであり、相互互換性も確保され、より国際的な利用を可能とする仕様となっているのです。
そのため、電子インボイスを導入しようとしているアジア諸国からの注目度も高く、日本のこの取り組みを元に電子インボイス導入を進めようとしている国も多いようです。
電子インボイスはいつから始まる?
電子インボイスの開始は特に明記されていません。
しかし、インボイス制度が2023年10月1日から始まるので、電子インボイスもそのタイミングで普及していくことでしょう。
電子インボイスのメリット・デメリット
メリット
管理が楽になる
適格請求書は、7年間の保管が義務付けられています。
請求書を発行する機会は企業であればかなり多いので、それらを紙媒体で保管するとなるとかなりのスペースが必要になりますし、管理も煩雑になります。
しかし、電子化することでクラウド上で全て管理することができ、スペースを取ることなく検索や整理も楽になります。
請求書の申請処理が不要となる
電子インボイスでは、世界標準規格の電子データとして送られてくるため、異なるシステムを利用していても統一されたデータを取り扱うことができ、請求書データとして直接取り込むことができます。
そのため、申請の処理がいらなくなり、事務・経理の方の負担も減ります。
データ改ざんのリスクが少ない
電子インボイスでは、データに電子署名を施したりファイルへのアクセス履歴を残したりと、データ改ざんを防止するセキュリティ対策をしっかり行うことができます。
また、日本政府は電子インボイスのさらなるセキュリティ強化のために、請求書や領収書などの電子文書を発行した際にデータの発行元となる組織を証明するための仕組みである「eシール」の導入を検討しているそうです。
これにより、ますます電子インボイスのセキュリティ対策が高まることが期待できます。
海外とのやり取りがスムーズになる
世界標準規格である「Peppol」を利用してデータ取引を行うことで、国境を越えたデータ取引をスムーズに行うことができます。
海外に拠点がある場合や海外進出を進めている企業でも安心して利用できます。
テレワークに対応できる
紙媒体ではなくデータで管理できるようになれば、わざわざ会社に行く必要がなくなり、場所に関わらずパソコンがあれば請求書処理やその他管理が行えるようになります。
これにより、事務・経理部門のテレワークの促進に繋がります。
デメリット
導入コストがかかる
電子インボイスを行うためには、それに対応したシステムの導入が必須です。
安全でサポートもあり使いやすいシステムを導入するには、それなりの導入コストがかかります。
しかし、システムにお金をかけた分作業効率が高まり、管理も楽になることから、コストパフォーマンスが高いと言えます。
操作を覚える必要がある
システムの使い方を覚えるまでは、それなりに時間がかかるでしょう。
操作が難しいシステムはそこまで多くないとは思いますが、機能が多ければ多いほど覚えるまでに時間はかかってしまいます。
スムーズに使えるようになる時間を短縮するためにも、操作が簡単で機能が選べるシステムを選ぶようにしましょう。
紙媒体の取引先には使えない
データ処理も電子化が進んできたとはいえ、企業によってはまだ紙媒体が主流のところも存在します。
その場合は、その企業に合わせて紙媒体でのやり取りが必要になってきます。
データ管理で慣れてしまうと紙媒体での記載や保管が疎かになる恐れがあるので、紙媒体でもしっかり保管できるようにする必要があります。
電子インボイスの保存方法について
電子インボイスのやり取りを行った場合は、電子帳簿保存法に準じた方法で保存する必要があります。
電子インボイスを提供した登録事業者は、それらの書類を紙またはデータで保存することが義務付けられています。
インボイス制度において、7年間の保管が義務付けられているので大丈夫だとは思いますが、電子であってもデータ保管を忘れずに徹底してください。
電子インボイスに対応するシステムを導入しよう!
電子インボイスに対応するためには、インボイス制度に対応している請求書受領システムを導入する必要があります。
様々な企業が請求書受領システムを出しているので、機能や価格、使い勝手、強みなどを比較しながら選びましょう!
請求書受領システムや会計システムについては、別記事で選び方やおすすめサービスを紹介しているので、ぜひこちらをご覧ください。
まとめ
今回の内容をまとめると、
- 電子インボイスは適格請求書(インボイス)を電子データ化したもののこと
- Peppolという世界標準規格でデータを標準化している
- 電子インボイスにより、データ管理や海外とのやりとりがスムーズになる
- 導入コストはかかってしまう
- 電子インボイスに対応するには、システムの導入が必要
このようになります。
電子インボイスに対応することで導入コスト以上のメリットを得られるため、ぜひシステムの導入を検討してみてくださいね♪
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