RevOps(レベニューオペレーション)をご存じでしょうか。
最近注目度が高くなっている考え方で、作業効率化や売上向上につながります。
どんな考え方なのか、注目理由など、RevOpsについて詳しく知っていきましょう。
RevOps(レベニューオペレーション)とは
RevOps(レベニューオペレーション)とは、組織の収益改善を実現するために幅広い施策を実行するための部門です。
セールス、マーケティング、カスタマーサクセスなどの活動において、部門を越えて横断的に管理する考え方です。
コロナ過での収益減少をきっかけとして、アメリカを中心に急速に発展している考え方です。
RevOpsは、アメリカのSaaSやサブスクリプション業界における「The Model」という考え方から生み出されたそうです。
「The Model」とは、顧客との関係づくりを「セールス」「マーケティング」「カスタマーサクセス」に分け、各自のパフォーマンスを向上させることで ビジネス全体を成長させるという考え方です。
RevOpsはThe Modelの発展形であり、分かれているプロセスをつなぎ合わせて再統合することで、利益の最大化を図ろうとする考え方なのです。
RevOpsが注目される理由
RevOpsが注目される理由は、「顧客の購買行動の変化」にあります。
従来、見込顧客や潜在顧客は何の情報も持っておらず、営業から提供される内容が全てでした。
しかし、IT化が進んでインターネットで簡単に情報を調べられるようになったため、営業の情報を鵜吞みにする顧客はほとんどいなくなりました。
このような現状から、収益向上につなげるためには、営業だけでなくマーケティングやCSなどの他部門でも顧客満足度を上げる行動が必要になっているのです。
そのため、従来のような縦割りの部門構造ではなく、部門を横断した運営・管理体制が必要になっているということで、RevOpsが注目されているのです。
RevOpsは4つの要素から構成される
RevOpsは、次の4つから構成されています。
- データ分析・予測
- イネーブルメント
- プロセス・システムの効率化
- 収益戦略
それぞれ詳しく見ていきましょう。
データ分析・予測
RevOpsにおいて、データに基づく意思決定は重要な要素です。
企業戦略に基づいて、各部門のKPIやKGIを記録・共有します。
これにより、収益目標の達成プロセスを常に把握・分析し、リアルタイムで課題を発見、解決に向けた行動を起こすことができるのです。
部門を越えてデータ分析・予測を行うことで、セールス・マーケティング・カスタマーサクセスの段階での顧客データから、契約に至るプロセスを導き出すことができます。
そうすることで、より少ない工程で顧客獲得につなげられます。
イネーブルメント
イネーブルメントとは、従業員が使用するすべてのツールや施策の効率化に取り組むことを言います。
日本では、「セールスイネーブルメント」といって営業組織を強化・改善する取り組みが注目され始めていますが、アメリカでは前者の全体を見た取り組みのほうが主流です。
共通管理ツールを利用することで、一貫性のある流れとデータ連携が可能になります。
一貫したプロセスを確立することで、管理者の負担軽減にもつながります。
プロセス・システムの効率化
設立したばかりの企業でRevOpsを過度に取り入れようとすると、組織に柔軟性がなくなって固い考え方しかできない状態になる(官僚化)可能性があります。
特にスタートアップや成長過程の企業では、意思決定のスピードを落とさないようにしましょう。
官僚化を防ぐためには、柔軟性と一貫性を両立できるプロセスと社内システムが必要になります。
柔軟性の高いマニュアル、実績のある人材を参考にした研修、社内の疑問が解決できる質疑応答ページなどを用意することで、従業員間での情報の偏りをなくし顧客に対して一貫したユーザー体験を提供できます。
収益戦略
RevOpsでは、企業の将来戦略を形成するのに必要なデータと情報を蓄積しています。
これらのデータは企業戦略や年間計画の策定に活用できます。
RevOpsでは、収益戦略だけでなく人員計画・社内評価・目標設定などのデータも提供してくれるので、目標設定や達成のためのスケジュール立案もしやすくなります。
未来の戦略を過去データに基づいて分析し、予測を立ててより成功率の高い戦略立案も行えます。
RevOpsを実現するには
RevOpsを実現するには、組織内でどのような取り組みを行うのがいいのでしょうか。
ここで確認していきましょう。
部門を切り離して考えない
どんな企業でも、すべての部門が関わりあって一つの事業が成り立っていると思います。
全ての部門はつながっていると考え、RevOpsの導入を組織全体の取り組みとして考える必要があります。
まずは部門全体を一元管理し、データ蓄積ができるような仕組みづくりを行いましょう。
全社的なKGIとKPIを立てる
RevOpsを実現させるためには、まずKGI(最終目標)と途中目標(KPI)を立てましょう。
部門を超えたKGIとKPIを明確にすることで、RevOpsを導入した後の行動がはっきりします。
導入して終わりにならないので、短期間で成果を出せるようになるでしょう。
この時、部門ごとのKPIも立てておくことで、各部門での行動も明確になってよりスムーズな目標達成ができます。
ツールの導入
全部門のデータを一元管理して分析などを行うには、データ管理ツールを導入するのが一番効率的です。
複数のデータを一度に管理してくれるツールもたくさんあるので、RevOpsを実現するならぜひツールの導入を行ってください。
まとめ
今後、RevOpsは企業の収益増加に欠かせない考え方になっていくことでしょう。
しかし、まだRevOpsを実現できている日本企業は少ないです。
この記事に出会ったことを機に、競合他社に負けないようにRevOpsを導入していきましょう!
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