最近は様々なハラスメントが生まれて問題になっていますが、テレワークが主流になってからは「テレハラ」「リモハラ」という新たなハラスメントが社会問題になっています。
自分がハラスメントの加害者にならないように、リモハラ・テレハラの内容や事例、対策方法を知っていきましょう!
似たような言葉に「TELハラ」がある
TELハラとは、電話に苦手意識を抱いている社員に電話対応を行わせる行為です。
人とのコミュニケーションの仕方がかなり変化している今、若者にとって電話は身近なものではなく、抵抗感を感じる人も多いです。
若者は電話をとることをストレスに感じることを理解し、新入社員などに電話番を強いる風潮が問題視されているのです。
しかし、電話対応は会社で働く上でまだまだ必要とされる能力です。
そのため、「TELハラだ」と言って新入社員に電話対応をさせないと、社会人として成長できなくなる恐れもあります。
TELハラに関しては賛否両論が別れています。
リモハラ・テレハラとは
リモハラ・テレハラとは、テレワークや在宅勤務により会社とは離れた場所で仕事を行う従業員に対して、オンライン上で行われるパワハラ/セクハラ/モラハラのことです。
「オンライン上なのにそんなことあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで、web会議システムやシステム運用支援を行っているエイネット株式会社が2021年7月に行った「リモハラ・テレハラに関するアンケート調査」を見てみましょう。
こちらのグラフは、首都圏で働く500名に対して「リモハラ・テレハラを受けた、または受けるのを見たことがあるか」という質問でアンケートを取った結果になります。
グラフから分かるように、回答者の約22%がハラスメントを受けた/目撃したと回答しており、5人に1人が実際に被害に遭い不快な思いをしているのです。
「自分は被害に遭わないし、加害者にもならない」と考えている人も、もう一度よく考えてみてください。
いじめと同じように、ハラスメントかどうかを判断するのは“された側”です。
自分はそんなつもりはなかったとしても、相手があなたの発言・行動を不快に感じたりハラスメントだと思えばそうなってしまうのです。
自分はリモハラ・テレハラに当てはまる行為をしていないか、次の特徴を見て確認してみてください。
どんなことがハラスメントになるの?
どんなことがリモハラ・テレハラに該当するのでしょうか。
早速見ていきましょう。
過度な監視
常にビデオをオンにして働くことを義務付けたり、バーチャル背景の排除を強要をすることです。
社内でも常に見られていることは少ないので、プライベートの空間や仕事の様子を常に上司に監視されるのはストレス以外の何ものでもありません。
しっかり仕事をしているのか不安なのは分かりますが、仕事の成果を共有してもらうなど仕事の進行状況を把握する方法はいくらでもあるので、監視行為行わないようにしましょう。
オンライン飲み会への強制参加
オンライン飲み会は、コロナ禍で飲み会が開けない現状でも場所も時間も気にせず複数人と飲めるため、社内コミュニケーションを活発化させるために開催している会社もあるのではないでしょうか。
しかし、オンライン飲み会は終わるきっかけが掴めず、顔を移さなければいけないので参加したくない人も多くいるでしょう。
それなのに、従業員の意見を聞かずに強制参加させることは相手にストレスを与えるため、ハラスメントに該当してしまうのです。
ビデオ通話の強要
会議やミーティングで、相手が嫌がっているにも関わらずビデオをオンにすることを強要したり、部屋の中を見せろと強要することです。
もちろん、取引先との会議などは礼儀としてビデオをオンにした方がいい時もあるのでそのような場合は別です。
上司と二人のミーティングや業務外でのビデオ通話の強要は立派なリモハラ・テレハラです。
プライベートな部分へ踏み込む
ビデオに写っている部屋や服装、家族などプライベートな部分に対して言及したりすることもやめましょう。
また、「いつもと雰囲気がちがうね」など、ビデオを通して相手の見た目について意見を言ったりすることはセクハラにも値するので絶対にしないようにしてください。
自分がされたらどう思うかを考えて行動しましょう。
業務外の通話・ビデオ通話
業務時間外に通話やビデオ通話を依頼したりするのもハラスメントにあたります。
また、業務外のプライベートな連絡をしたりするのも人によってはストレスを感じる場合がありますので、相手との関係性で判断しましょう。
過度な干渉・威圧的な発言
理由を言ったのにも関わらず会議の途中退席をなじったり、返信が少しでも遅れると「さぼっているんだろう」などと根拠のない発言をして相手に対し威圧的に接することもやめましょう。
業務時間外の連絡への反応の強要や過度な状況連絡の強要も、相手に精神的ストレスを与えてしまいます。
このように、リモハラ・テレハラにあたる行為は細かく分ければたくさんあります。
しかし、どれもよく考えれば相手が不快な思いをすることが理解できるような行為です。
このような行為を平気でしてしまう人は、自分のストレスを相手にぶつけることで解消するような人が多いと思うため、今一度自分はこれらに該当する行為をしていなかったか思い返してみてください。
あなたは大丈夫?リモート中に不快感を感じた事例
ここからは、実際にあったリモート中での不快な発言、行為を紹介していこうと思います。
他人がやったことを見て、自分はやらないように心がけましょう。
複数名が参加しているweb会議中に怒鳴られたり罵倒されました。
言い方に配慮がなく楽しんでいるようでした。
営業職でリモートワークをしているのですが、メンバーの様子をいつでも見られるようにオンライン会議を1日中繋ぎっぱなしで常に監視されています。
PCにはGPSも付いていて、場所も特定されてしまい窮屈に感じています。
リモートワーク中、しょっちゅう電話がかかってきて進捗や作業はあと何分かかるかなど細かく様子を聞いてきてうんざりしています。
雑談用に作ったlineグループに、上司が深夜まで雑談し続けていて嫌です。
たまにですが土日も雑談LINEで連絡してきます。
上司なので無下にもできず、それがストレスです。
リモート中にグループチャットで質問をしたところ、返信してもらえませんでした。
他の人が同じような質問をしても返信していたのに、自分だけ意図的に無視されていると感じ不快でした。
上司に悩みを相談したのですが、その際わざわざ自分の全身が見えるようなカメラアングルでビデオ通話をしてきて、コチラにもビデオをオンにするよう要求してきました。
真剣に相談にのってくれたのでそこは良かったのですが、かなりびっくりしました。
男性社員がしつこく女性社員をオンライン飲み会に誘っている現場を目撃した。
女性もすごく困っていてかわいそうだった。
このように、一見そこまで害がないようなことでも相手が不快に思えばリモハラ・テレハラに当てはまります。
といっても、相手がどういう風に思っているか直接聞いても正直に言えない人も多いため、ハラスメントの加害者になっていることに気づかない人が多いのです。
ハラスメントを回避するには、それをして相手がどう思うかよく考えること、他人のできごとを知ってそれがハラスメントであると認識することが重要です。
ぜひ上記の例を参考に、ハラスメントを回避していきましょう!
リモハラ・テレハラを回避するための対策方法
リモハラ・テレハラは被害者の精神に大きなストレスを与え、最悪の場合うつ病や退職に追い込んでしまいます。
リモハラ・テレハラを防ぐための方法を知って、社内での加害者・被害者を減らしていきましょう!
リモハラ・テレハラを社内に周知する
テレワークが広まってきてから生まれたハラスメントなので、まだ認知度が低いです。
無自覚のリモハラ・テレハラを無くすためにも、それがどういうものでどんな事例があるのか、特にどんな場面で注意しなければいけないのかなどを社員全員に学んでもらいましょう。
テレワーカーのマネジメント方法を教育する
マネジメントする側は、テレワーカーに対して不安があります。
ちゃんと仕事をしているのかが気になって、つい過度な監視や連絡をしてしまったということもあるでしょう。
わざとではないリモハラ・テレハラを防止するためにも、テレワーク時のマネジメント方法を身につけるのがベストです。
リモートワーク中のルールを決める
リモートワーク中の監視体制や進捗報告方法、会議時の顔だしの条件など、ルールを明確にしましょう。
ルールを決める際、幹部や社長など上の人だけで決めずにリモートワークを行う従業員の意見も取り入れるようにしてください。
そうすることで、ルールに対する不満もなく、部下も上司も気持ちよくリモートワークをすることができます。
仕事の進捗を報告する
「在宅だと仕事をさぼるんじゃないか」という不安があるため、それが執拗な連絡などリモハラ・テレハラに繋がるきっかけになってしまっています。
それを防ぐためにも、始業時間に自分がやる仕事を報告し、仕事が片付いたら報告するなどの作業を入れるだけで、上司も部下の行動を把握できて安心できます。
少し手間はあるかもしれませんが、毎日確認電話がかかってくるよりストレスはないと思います。
個別ミーティング時は録音しておく
個別ミーティングで2人きりになると、誰も見ていないと思ってセクハラ・パワハラ発言をする人も一定数いるでしょう。
それを防ぐために、個別ミーティング時は常に録音を行うようにしましょう。
下手なことを言ったら誰かに聞かれる緊張感があるため、ハラスメントの抑止効果があります。
相談窓口を設置する
万が一被害に遭ってしまった場合、誰にも相談できずに苦しむ人もいるでしょう。
そんな人を助けるために、いつでも相談できる窓口を設置し周知しておきましょう。
相談者に不利益が生じないように匿名や電話での相談ができるようにする、どちらでも選択できるように男女1人ずつの担当者を設けるなど、相談者に配慮したものにしましょう。
まとめ
画面越しやチャットだと気が大きくなって普段はしないような発言・行動をしてストレスを発散しようとする人がいます。
しかしそれは、パワハラ・セクハラとなんら変わりありません。
直接の行為じゃないからといって、相手が不快に感じたら立派なハラスメントだということを忘れないようにしましょう。
この記事を他の人にも共有して、知らぬ間にリモハラ・テレハラを行っていないか聞いてみてください。
みんなで協力して、ハラスメントで傷つく人をなくしていきましょう!
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