コラム基礎知識

VRを含む5つの言葉の違いと活用事例をかりやすく解説!

VR技術が普及してだいぶ立ちますが、VR以外にもAR、MRなどの技術も生まれています。

名前が似ているため、どんな違いがあるのかすぐには分かりませんよね。

そこで今回は、これらの仮想技術の違いや活用事例、課題などを解説していこうと思います!

 

【VR/AR/MR/SR/XR】5つの言葉の違いについて

VR以外にも、後4つの似た用語が存在しています。

簡単に表にまとめると、このようになります。

 

VRとは

「Vertual Reality」の略で、仮想現実を指します。

専用の端末を利用することで、人工的に作られた仮想空間にあたかも自分が入り込んだかのように体感することができる技術です。

 

VRには視聴型と参加型があり、視聴型ではその空間でものを見たり話を聞いたりすることができます。

参加型では、実際の映像の中のものを触ったり動かしたり、映像内を動き回ることができます。

 

≪相性のいい分野≫

  • 不動産
  • エンターテイメント
  • メディア
  • 医療
  • 教育
  • アパレル  等

 

ARとは

「Augmented Reality」の略で、拡張現実を指します。

現実世界にCG画像や映像を合成することで、現実世界に仮想世界のものが存在しているように感じられたり、実際の画像・映像に情報を付加することができる技術です。

 

エンターテイメントはもちろん、産業分野でも活用されるなど、幅広い分野で注目されています。

 

≪相性のいい分野≫

  • エンターテイメント
  • 建設
  • 美術
  • 観光
  • 製造業
  • 自動車産業  等

 

MRとは

「Mixed Reality」の略で、複合現実を指します。

ARをさらに発展させたもので、現実世界と仮想世界をより密接に融合させる技術です。

 

仮想のものを3Dで現実世界に出現させ、後ろに回ったり触ることができるのです。

さらにMRでは、同じMR空間を複数人と体験することができるため、今後の活躍が期待されている技術です。

 

≪相性のいい分野≫

  • エンターテイメント
  • 自動車産業
  • 製造業
  • 医療
  • 建設
  • 航空業界  

 

SRとは

「Substitutional Reality」の略で、代替現実を指します。

SRはかなり高度な技術で、過去に起きた出来事をこれから起きる現実として再現する技術です。

VRやARなどは、体験者が「この世界は仮想のものだ」と認識しています。

 

しかし、SRでは体験者が現実か非現実か認識できなくなり、そこにいないものをいると認識するなど、仮想空間への没入感を更に体験することができるのです。

 

SRはまだ実験段階にあり活用事例はありませんが、理化学研究所によって実験が進められています。

 

≪相性のいい分野≫

  • エンターテイメント
  • 医療(心理療法)  

 

XRとは

「X Reality」の略で、VR・AR・MR・SRのすべての仮想空間技術や空間拡張技術の総称をいいます。

この言葉が使われるようになったきっかけは、VRやARなどの似た技術が生まれていく中で、より汎用性が高く使いやすい表現が必要になったからのようです。

 

それぞれのビジネス活用事例

名前は似ていても別の技術であることが分かったでしょうか。

それでは、これらの技術はどんな分野で利用されているのか、活用事例を見てみましょう。

 

ポケモンGO(AR)

位置情報を活用し、そのポイントにスマホの画面を合わせることで現実世界にポケモンが現れ、捕まえたりバトルさせることができるゲームです。

 

発売されてから爆発的ブームが起こっていたので知らない人はいないでしょう。

自分の目の前にポケモンが現れ、それを本当に捕まえているように遊ぶことができるというARの特徴を生かしたゲーム内容になっています。

 

医療現場(VR)

実際の手術の様子をVRで見学可能にし、世界各地にいながらリアルタイムでその手術の様子を有できるという使い方が増えてきています。

また、事前に手術のシミュレーションを行ったり、研修生向けの注射練習にもVRが使われ始めているようです。

 

広告(VR)

広告の中の世界を360℃見渡すことができ、広告でありながらエンターテイメントとしてユーザーが楽しめるようなコンテンツに仕上がっています。

 

クリック&ドロップすることで広告の中を見渡すことができ、その世界を楽しんだり、想像を膨らませることができます。

ユーザー体験型にすることで、広告に興味を持ってもらいやすくなるのもメリットですね。

 

建設現場(MR)

実際の作業手順をMRで可視化し、イメージ像を表示することで作業のスケール感を認識でき、それを複数の作業員と共有することができるため、イメージを膨らませながら完成までの微調整が行えます。

 

また、MRで作業の流れを可視化することで作業手順や危険個所が明確になり、作業効率をあげるとともに、起こりうる事故を防ぐことができます。

作業手順を知れることで、スケジュール管理もしやすくなるでしょう。

 

自動車産業(MR)

トヨタ自動車では、MR技術を整備現場に用いているようです。

MRデバイスを装着することで、作業手順を確認できます。

そうすることで、作業の流れをイメージできてミスを減らすことができます。

 

また、デバイスを頭部に装着することで、両手で作業を行いながら作業手順書を確認できるため、手順書を見に行く手間が省け、作業効率がアップしているようです。

MR技術の活用により、経験が少ない整備士でも短期間でハイクオリティな作業を行えるようになる可能性が高くなります。

 

Googleマップ(AR)

Googleマップに搭載されているARマップ機能を使うと、スマホの画面を向けた先にある建物や道路名を表示してくれます。

 

また、徒歩移動の際に画面を周辺の建物に向けると、瞬時に場所を把握して矢印表示で道案内も行ってくれるようです。

今まではどっちに行けばいいか自分で確認していましたが、AR機能を使えば無駄な時間を使わず迷うことなく目的地に到着できます!

 

 

オフィ助ふきだし

このように、仮想技術は様々な分野で活用され始めています。今後もどんどん活用の幅が増えていき、SRも実際に使われるようになることでしょう。

生活がより豊かで便利になっていくと思うと、ITの進化が楽しみになりますね♪

 

これら技術の課題

これらの技術は最先端で、世界中の分野に広がったら生活が著しく変わるでしょう。

しかし、VRやARなどの技術には、まだいくつかの課題があります。

 

  • VR酔いの発生
  • 画面の粗さ
  • 成長過程の脳には悪影響がある
  • 現実と仮想現実の音や映像のズレ
  • 装着の不便さ
  • 開発ノウハウを持つ人材不足
  • 導入コストが高い
  • 現実と非現実の区別がつかなくなる
  • セキュリティとプライバシーの問題

 

このように、幅広い分野で取り入れるにはまだまだ懸念点が多いのです。

 

尚、VRは疑似的な立体視を行うため、脳の立体視細胞(ものを立体的に見るために必要な細胞)に悪影響を及ぼすと考えられていること、空間認知の役割をする瞳孔間距離への影響を考慮して、13歳未満のVR利用は良くないと言われています。

体への影響も考えると、VRやARが日常生活に導入されるのはまだ先だと思われます。

 

また、仮想現実の世界に入り浸ることで現実と非現実の区別がつかなくなったり、現実世界での生活に支障をきたすなどの懸念もあります。

 

仮想技術の今後について

課題はありますが、技術自体が注目されているため、今後はどんどん研究が進んで技術が発展していくと考えられます。

 

下記のグラフからも、VR・AR分野は年々需要が高まっているのが分かります。

 

VR/AR市場 グラフ

出典元:総務省

 

開発コストがもっと下がれば、さらなる技術を生み出したり、画像や音声の改善も進んでいくことでしょう。

また、VRとARを組み合わせたMR、非現実世界をもっと身近に感じられるSRが様々な分野で活用されるようになり、作業効率アップに繋がったり新しい仕事が増えていくと思います。

 

私も、フルダイブ型のRPGがでたらやってみたいです。

 

まとめ

今回の内容を簡単にまとめると、

ここがポイント
  • VR、AR、MR、SRは似ているけど別の技術。XRはその総称
  • 今でも様々な分野で活用されている
  • 浸透させるには課題は残っている
  • 今後もさらに発展していく技術

このようになります。

 

仮想技術分野は注目度が高く、今後も発展していくだろうことが分かったと思います。

VRやARは私たちの生活にも関わってくるものなので、ぜひ興味をもって今後も動向を見守っていきましょう!

 

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